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ウェディングプランナーになりたいきみへ (株式会社ブラス/ウェディングプランナー育成会)

評価:
ウェディングプランナー育成会
幻冬舎メディアコンサルティング
¥ 1,260
(2008-10)


もし外資の保険会社の営業マンになってくれと言われたら、
どんな気持ちになりますか?


とりあえず先が真っ暗な、必死な人生になりそうな気がしません?(^^;)
保険の営業というと、家族・友人は売って当たり前、
その上でどれだけ+でONできるかが問われていると聞きます。


‥ちょっと敬遠したい職業ですよね。
でも、やっている人がいます。


実は友人にそっくりそのままの立場の子がいて、
驚いたことに、あまりにも楽しそうに働くので、
「何がそんなにおもしろいの?大変じゃない?」という質問をぶつけてみました。


そうしたら、友人は自信満々に言います。
「保険ほどわかりにくい商品もない。数字もキツい。そのうえ人も辞めていく。
でも、そこで残ることができれば営業として成長できる。そんな自分を見てもらいたい」


ひるむ様子がないので冒頭の疑問も聞いてみました。
「家族や友人に売るのって嫌じゃない?」


「保険ってわかりづらいけどとても大切なもの。
だからこそ、自分が親しくしてきた人には、きっちり説明した上で納得して契約してもらいたい。
押し売りは確かに疲れるだろうけど、商品に自信があるから苦にはならない。
あと、普通に過ごしてたら再び関わることができなったような人とも、
こうして定期的にコンタクトを取ることができるのはこの仕事の特権」と語ってくれました。


ここまで語られると、思わず契約しちゃいますよね(笑)‥ダメか。
でも営業はこれくらい前向きのミッションを持っていたいものだと思いました。

友人の発言をまとめると、
・誰もやりたがらない仕事ゆえに営業として成長できる
・わかりづらい商品をわかりやすく説明したい
・親しい人との定期的な接点ができる
というミッション(やりがい)が浮かび上がってきます。


どんな仕事にも浮き沈みはありますが、
特にキツいと言われる業種/職種の中で、信念を持ち続ける姿には励まされます。


今回取り上げるウェディングプランナーという職種も、
私たちが目にする、
カウンターで華やかにカップルに対応するイメージや、
式場や披露宴会場で颯爽と場を仕切るイメージは表の顔。
裏の努力を知ることで、よりいっそう成長感のある仕事だと納得させられます。


私自身は幼児の教育サービスに携わってきた身で、
今後は小規模化していく"家族"が
どうまとまっていくかを考えるサービスが必要と考えています。

その"家族"=家庭ができていく一番最初の過程にある、
結婚に関するサービスは、きっとこれからの世紀にすごく重要で、
かつやりがいのある仕事だと感じずにはいられません。


──────────────────────────────────────
■本書の構成


はじめに:ウェディング業界のトレンド
Case1〜11:各プランナーの物語


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■立ち読みのポイント


⇒212ページ【 ブライダルサービスの魅力と特徴 】


サービス業のマーケティングの基本は、集客・継続・紹介の3点セットです。
これは学習塾でもレンタルビデオ屋でもレストランでもそう。


でもブライダルは少しだけ異なっています。
本書にあるように、「同じ人がリピーターになることはない」ことです。


この章では、本当に新郎新婦との関わりを大事にしているプランナーの物語を例に、
プランナーに大切な資質として、「人が好き」なことを挙げています。


なぜならそれが「新郎新婦の親族や友人たちが未来顧客になり得る」(本文より)から。
先ほど挙げたサービス業のマーケティングの基本における「紹介」の要素です。


たいていの人は地元で結婚式を挙げますから、
言われてみれば漠然と思い浮かべるのは自分が参列した式場が候補ということになります。
その式や会場の雰囲気は自分の判断にも大きな影響を与えます。


「新郎新婦とは一期一会、でも人を介してどこかでつながっている」ところは、
本当にこの仕事の魅力だよな〜って羨ましくなっちゃいます。


──────────────────────────────────────
それでは5点満点での評価です。


タイトル(2)★★


私が利用しているあおい書店では、業界研究の棚に置いてありました。
ブライダル関連の著作はまだまだ発行点数が少なく、
業界研究本やムックを除けば2・3点に留まります。
規模や知名度を考えると、この分野はもっと出版されてもいいはずです。
ど真ん中すぎるタイトルも、
読みたい読者が探しやすいタイトルでありいいですね。


ナレッジ(2)★★


ウェディングプランナーはやりがいがすべての職種。
結婚式という大きなイベントを取り扱う限り、必ず失敗がつきものの仕事です。
変に「どんな風に場を仕切ったらいいか」みたいなナレッジよりも
「いかにやりがいが潜んでいるか、自分だったらどう乗り越えられるか」
を知ることの方が志望者にとっては大事だと感じます。


スキーム(2)★★


読みやすい文量で、物語ごとにプランナーに求められる資質を紹介するスタイルは、
ただの自社営業マンの武勇伝ではなく、説得力があって好感が持てます。
特にプランナーが傷ついたところ、焦ったところをきちんと書くことで
リアリティのある成長記録として受け止められます。


総合(2)★★


東海地域でハウスウェディングを展開するブラスに所属している
プランナーの体験記が元になっているのですが、、
この手の本にありがちなPR要素がとことんまで押さえられていて、鼻につきません。
プランナー志望者はもちろん買いです。
他の人も読み物としてはけっこういけますよ。
同じ仕事でなくても、別の立場で頑張っている人のことを知るのって元気が得られますよね。

 

| サービスマネジメント(接客・商業施設・店舗経営) | 14:46 | comments(0) | - |pookmark
外食・非常識経営論 (日本レストランシステム/大林豁史)
ゴールデンウイークに、新宿でランチに行った時のこと。

目当ての中華料理屋が休業だったので、
急遽近くで店を探すことに。

友人が「入ったことがある」と言っていた店があったので、
そこに入ることにしました。
きれいな看板のイタリアンレストランだったので期待して入ってみると‥
テーブル感覚が近く、隣の会話・隣のタバコの煙がモロにかぶってくる店でした。

いったん席に座ったものの、
落ち着きそうになかったので、すぐに「やめま〜す」とぶっこいて店を出ることに。
そこから遠くない、やはりイタリアンのチェーンに落ち着きました。

振り返ってみると、店を決める要素って一体何だったろう??と疑問を感じます。

本来ランチは食べることを目的にしているので、
「味」ありきのはずですが、
今回は味を一切考えませんでした。

新宿くだりでは、店も多ければ客も多い。
「味」よりも、「落ち着けるか」とか、「そもそも入れるか」が気になってしまいます。
結果、客が我慢することになる。

本書を読むと、日レスの業態が、「味」にこだわっていることがわかります。
確かに外食をしてまで不味い飯を食わされると気持ちが冷えます。
一等地の店は、不味いか高いかのどちらかが多いので、
チェーン系の店は、客にとって大きな「保険」になります。

著者の大林さん(日本レストランシステム会長)は、
P132で、サービスの三要素を、
味60(%)、雰囲気(20%)、サービス(20%)の配分にしているそうです。
日レスが手がける立地と業態から、自然とこの配分になるのでしょう。

―どうしたら客が我慢しないで済むのか?
100年経っても極めることができない難しいテーマですが、
だからこそ、トライする価値があるテーマでもあります。

──────────────────────────────────────
■本書の構成
第1章:店舗経営のポリシー
第2章:組織構築、出店戦略
第3章:起業の経緯
第4章:人材戦略
第5章:今後の外食産業を変える方策
──────────────────────────────────────
■立ち読みのポイント

⇒162ページ【儲かるための出店戦略】

なんて非効率な経営なんだ‥
初めて日レスのことを知った時、耳を疑いました。

マクドナルドはハンバーガー、吉野家は牛丼、
業態はもちろん、商品も絞りに絞っています。
だからこそ成功するだろうという考えが、
デフレ真っ只中な世界を経て頭に刷り込まれていました。

本書のタイトル通り、日レスの業態は、
非常識なのであって、非効率ではない。

まずは立地を押さえ、客を定着させる。
流行が変わったら、業態を変えて再オープンする。
飲食で最もネックとなる、初期投資を抑えることで、
出店のみならず退店戦略もカバーしていきます。

この戦略を真似るにはある程度の資金力が必要で、
競合ひしめく外食産業で、
独特のビジネスモデルになっています。

──────────────────────────────────────
それでは5点満点での評価です。

タイトル(3)★★★
ひねりはないものの、日レスの経営戦略をよく表した言葉で、いいと思います。

ナレッジ(3)★★★
外食の創業者が出した本というと、
マネジメント寄りの内容になってしまいがちです。
でも、厨房のオペレーションや食材の調達方法等、
裏側の部分にも触れられていて、良い意味で期待を裏切られます。

スキーム(3)★★★
利益率20%超という外食産業としては異例の数字を看板に、
なぜ達成できるのかを紹介する切り口になっており、
興味を引きつけられます。

総合(2)★★
個々のパート別に見ていくとなかなか良い本だなあと
今さらながらに思いつつ、総合は★2。
合理的には★3ですが、何かひっかかるものがあります。
その”何か”とは、読者が実践できるナレッジの弱さだと言えます。
この手の本にしては、ナレッジを相当明らかにしている方ですが、
でも、「できないでしょ」が前提になっていて、
読者のモチベーションを上げる内容にはなっていないことが大きな理由です。


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| サービスマネジメント(接客・商業施設・店舗経営) | 01:35 | comments(0) | - |pookmark
なぜそこに感動が生まれたのか デザイナーズ・ウエディング ノバレーゼの創造と挑戦 (柏耕一)
先週、伊勢丹メンズ館で買い物をしました。
ここは本当にすごい品揃えで、今さらながらに舌を巻きます。

シャツの丈を詰めている間、適当にフロアを見ていたところ、
シャツを仕立ててくれた店員とは別の店員が近づいてきて、他の商品を薦め出しました。
その後、会計・郵送の手配でさらに別の店員が対応。

正直、とても違和感を感じました。

サービス業では、お客様と接するスタッフをころころ変えてはいけないのが鉄則です。
確かに、その日の経営的には”分業”にした方が効率は上がります。
でも、顧客満足は確実に下がる。

なぜでしょうか?

サービスは”人”に付いているからです。
たとえば、シップスかアローズに行って、
同じ商品で同じ値段ですから、立地を除けば、「対応のいい店員」から買いたいです。

買い物って、カネとモノを交換する行為だけでなく、
一連の「ショッピング」を楽しむ行為が買い物だと言えます。
(遠足が家に帰るまで遠足なように‥ちょっと違う?)

小学校の頃を思い出してみてください。
担任の先生が、基本持ち上がりで、”入学”の時に見てくれた先生が、
”卒業”年度の時にまた見てくれたりします。

塾やカルチャースクールといった教育サービスでは、
やたらに講師を変えないのが経営側の鉄則です。(学習効果が下がるから)

それと同じことが、どうやらブライダル業界にもあるようで、
今回は続けて立ち読みのポイントを先にご紹介します。

──────────────────────────────────────
■立ち読みのポイント

⇒107ページ【専任担当制のメリット】

ブライダル業界(結婚式場)では、通常、
1組のカップルに3人程の担当者が付くそうです。
営業→打ち合わせ→式当日と、段階に分けて担当を配置するやり方です。

ノバレーゼでは、これを担当者が1人でやります。
そのことによって、お客様へのモチベーションを上げ、
また、お客様からも信頼を強く持ってもらうことができます。

一般の営業でも同じことが言えます。
同行営業をしても、メインスピーカーは窓口となる担当者に絞る。
でないと、窓口が複数になった結果、
担当者間の知識・対応の差異、情報共有のミスが起きてしまいます。

一番営業にとって悩ましいことは、「商品知識」が身につきにくいこと。
これを埋めるべく、トップセールスは徹底的に商品のインプットとアウトプットを繰り返します。
それだけ不安要素になっているわけです。

私がいいなと思っているのは、
営業の人も現場に立ったり、開発を一緒に進める体制。
本人の負荷は上がりますが、結果的によく売れるようになれば、
長い目で見ればラクになります。
また、お客様から信頼されるので、仕事が嫌になりません。

専任担当制を敷くノバレーゼは、
誰もが店舗マネージャーになれる仕組みを導入しており、
強い人材が育ちそうですね。

──────────────────────────────────────
■本書の構成
第1章:社員の活躍エピソード
第2章:会社を発展させるマネジメント手法
第3章:創業の経緯
第4章:ノバレーゼの競争優位性
第5章:ブライダルビジネスの仕掛け方、今後の方向性
──────────────────────────────────────
それでは5点満点での評価です。

タイトル(0)−
本書のタイトルにちなんで、「なぜこのタイトルにしたのか」と言いたいです。
書店では、多くは起業、もしくはブライダルの棚に並んでいます。
点数の少ないブライダルならまだしも、
起業の棚に置いてあってこのタイトルでは誰も手に取りません。
読者ターゲットが、ブライダルマーケット志望者、もしくは業界関係者であることを考えると、
完全に差別化を誤ったタイトルです。
オビがまたまずくて、「すごい企業のとてもつもない軌跡!」とあります。
「すごい・とてつもない」の中身を、コピーに落とせなかったことがとても残念。
 ・「だからブライダルビジネスはおもしろい」
 ・「自分たちが挙げたい結婚式をつくる!仕事」
あたりはどうでしょうか。
やや業界紹介本寄りなコピーですが、ターゲット読者にはより響くでしょう。

ナレッジ(2)★★
第1章・第2章だけを読むと、会社PRのようになっていて(「いい会社なんですよ」という)、
ここにターゲット読者のヒントとなることは落ちていません。
正直私も買うのを相当ためらいました。
とても珍しいケースで、本書は第4章・第5章でかなり盛り返します。
このあたりにノバレーゼの事業戦略や、
ブライダルマーケットの予測が書かれてあるので、
当然読者の興味もここに集中します。
鼻持ちならない前半が嘘のように、「正しく苦労をしてきた」ことがわかる後半になっています。

スキーム(2)★★
大きく分けると、
A)会社・社員紹介→B)起業のストーリー→C)事業戦略という流れで構成されています。
問題は、Aが始めに来ていることです。
読者が誰も共感しないうちから、会社のキープレーヤーの紹介がえんえん続くので、
どこに重点を置いて読めばいいかわかりません。
どうしても社員の顔を紹介したい意図はわかるので、
後半にまとめるか、コラム的に章末に括るかすると効果的だと感じています。

総合(2)★★
立ち読みでの時点で響かなかった本は、買ってもやはり響くことはありません。
その常識を良い意味で裏切ってくれました。
ブライダルに興味がない人には、「おもしろいか?」な内容ですが、
サービス業に関わっている方はヒントになることがあると思うので、
第3章から(笑)読んでみることをおすすめします。


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| サービスマネジメント(接客・商業施設・店舗経営) | 00:10 | comments(0) | - |pookmark
ランチは儲からない 飲み放題は儲かる (江間正和)
経営者の人は、どのタイミングで”起業しよう”と思うのでしょう?

新規事業の立ち上げを2度経験していますが、
いずれも「経営すること」の怖さを知りました。

特に営業が最初の難関です。
ここを持ちこたえることができるかどうか。

厄介なことに営業は、「型」が出来るまで少し時間がかかります。
どんなに良い商品でも、「売る」ためには試行錯誤が必要です。

いったん軌道に乗ると、面白いように売れ出すのですが、
「確信を持って」我慢するのは相当な忍耐力が必要です。

私自身は専任体制だったため、
「売れなければキャリア価値がなくなる」思いで必死で売りました。

しかし、経営者のプレッシャーはこの比ではない!
売れなかったら自分の生活自体が成り立たなくなるのですから。
社内で一番口うるさいのが”社長”なわけですね。

どんなにたいへんなことがあっても、
社内で自分だけは辞めることができない夢を持っている、
それが創業社長の強さ。

皆さんはそんな”夢”に出会っていますか?

──────────────────────────────────────
■本書の構成
第1章:飲食店経営に関わるおカネ
第2章:効率を上げるための着眼点
第3章:オペレーションを組む際の注意点
第4章:出店計画・退店計画
第5章:飲み放題が儲かる理由
──────────────────────────────────────
■立ち読みのポイント

⇒186ページ【飲み放題は店が得をする】
バイキング、おかわり自由、ドリンクバー‥すべて得をした気になります。
しかし実は、初期設定の料金が若干高め。
だから私たちは、
「自分ならこれくらい(食える・飲める)」というラインを見極めてオーダーをします。
ところが、飲み屋はこうも行かない。
飲む人が多ければ飲み放題にしなければいけないし、
飲み放題=時間が決まっています。
飲めない人がいれば大損であり、店にとっては格好のカモ。
飲み放題が儲かる理由は、
「どんな人でも、8杯以上は危険、
だから飲み放題といっても上限が決まっているようなもの」
というロジックがここの箇所に示されています。

──────────────────────────────────────
それでは5点満点での評価です。

タイトル(4)★★★★
タイトルを見て、新書のような付け方をしていたので、
ずっと手に取りませんでした。
ひところ流行った会計に関する本だと思っていたんです。
ところがどっこい、読んでみると、会計を基準にした飲食店経営の本でした。
店を持ちたい人は、ライトな感覚で現実を計ることができます。
タイトル以上に評価したいのは、オビ。
ランチプレートの絵に、にんじんに矢印が指してあって、
「利益は、たったこれだけです‥‥。」のキャッチコピー。
本編導入ととてもマッチしていて、素晴らしいコピーですグッド

ナレッジ(5)★★★★★
機械的に数字(経営の指標)を覚えるのではなく、
どうしてそういう積み上げになるのかを、
順を追って解説しているため、非常に頭に残ります。
図解なしで読者を導いていることを考えると、
相当説明がうまいのだと言えます。

スキーム(3)★★★
作者の思考に沿って話が進んでいくので、
残念ながら振り返りはしづらい構成です。
読みやすさ・わかりやすさを重視した結果なので、ここは致し方ないかも。

総合(4)★★★★
読む人の状況によって評価が異なってきます。
実際に飲食業に接している人、これから正に飲食業を始める人には、ぴったりの内容。
もし単純に会計のカラクリを知る目的であれば、
逆にその部分が冗長に感じられてしまうでしょう。


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| サービスマネジメント(接客・商業施設・店舗経営) | 09:46 | comments(0) | - |pookmark
パーフェクトサービスレストラン (小松田勝)
大学生の時に、たびたび(いや、たまに‥)
デートで利用していたお好み焼き屋がありました。
なぜ「お好み焼き屋」だったかというと、適度にお互いの「作業」があるからです。
きっかけはサークルの仲間と立ち寄った時に、
具を混ぜたり裏に返したり、「アクティビティー」の要素が強いとわかったことでした。
店ではもんじゃもやっていたので、土手をつくったりヘラでおこげをはがしたり、
アクションには事欠きません。

なぜこのような店のスタイルを分析していたかというと、
あまりしゃべるのは得意ではない!そのくせ、楽しい時間を過ごしたい!と思っていたので、
すぐに食べ終わってしまう寿司やラーメンでは都合が悪いわけです。
特に付き合いはじめは、シャイな男子には食のジャンルは死活問題です。

さて、この店舗はお好み焼き屋であるだけでなく、
実はそれ以外の要素がたいへん素晴らしく、たびたび利用していました。
それは、店員さんの立ち振る舞い。
鉄板の火力加減や油の引き直しといった、微妙な調整を必要とする部分を、
さっと入ってきてさっとやっていってくれるのです。
おかげでトークに集中できるので、
「店員さんありがとう!」と心で感謝しながら楽しい時間を過ごすことができました。

皆さんも勝負どころの店舗をお持ちだと思いますが、
お気に入りの店は例外なくスタッフの対応がいいはずです。
飲食サービスでは、
基本的なビジネスモデルはメニューの種類や料金や立地で決まってくるものの、
客の立場から見ると、客層や禁煙席の有無といった「空間」の印象は
次回また来たいかどうかの重要な分かれ目になります。
────────────────────────────────────────
■本書の構成
サービスマネジメントを小説仕立てで学ぶ内容です。
物語の内容からマネジメントを吸収する本といえば、
最近では人材開発部の再建を描いた
『人事が変われば会社が変わる』(日本経済新聞社/香本裕世)を思い出します。
本書ではエース級の店長が新任店舗で守旧スタッフとの軋轢を越えて
店を再建していく過程が描かれます。
本書の構成は以下の通りです。

第1章:浜店長と三井崎社員による自店舗の現状分析
第2章:浜店長の不遇時代
第3章:スタッフ間の軋轢
第4章:コアスタッフの団結
第5章:夕礼
第6章:自店舗のチェック(ウォークスルーチェック)
第7章:店舗の今後
────────────────────────────────────────
■立ち読みのポイント

⇒29ページ【客がビールを追注するタイミングの見極め方】
本書最大の見せ場がこの冒頭の部分です。
離れたテーブルの客からタイミングよくビールの追加注文を取るための技術が出てきます。
客のほんのささいなアクションを見逃さなければ、
理に適った形で売上を伸ばすことができます。
立ち読みでこの箇所を読み、「これは!」と決めてかかり、
もっといろいろな技術が出てくるのかと思ったのですが‥残念。

────────────────────────────────────────
それでは5点満点での評価です。

タイトル(0)−
小説であることを考えるとまったく悪くないタイトルです。
主人公である浜店長が目指したサービスの在り方がタイトルになっています。

ナレッジ(1)★
「立ち読みのポイント」で取り上げたサービスの技術は
「なるほど」と思えるのですが、本当にこの箇所だけです。
人物関係を追うことがかえって読者にとっては煩わしく、
純粋に読者にナレッジを提供することに徹して欲しかったです。

スキーム(0)−
セリフにとても無駄が多いことが気になりました。
ひとつのマネジメントの要素を解説するのに、
(部下との問答で)
「よく気づいたな。さすがだ。お前は見込みがあるぞ」
「でも油断するなよ。お前さんはまだ若いんだから」
という浜店長の前フリとフォローが必ず入ってくるのです。
ここをカットしたら読者の負担はぐっと削ることができたのですが。
下手に小説としてのつながりを意識してしまったがために、
マネジメントを知るにもかなり中途半端な内容です。

総合(0)−
普通に本書の中にも出てくるディズニーの研究本を読んだ方がためになります。
架空の話を読んだ上にほとんどが会話体で学ぶべきことが薄く、
書籍として発行した企画自体に疑問が残ります。
(雑誌の連載であれば読めます)


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| サービスマネジメント(接客・商業施設・店舗経営) | 00:15 | comments(0) | - |pookmark
THE STARBUCKS EXPERIENCE スターバックス5つの成功法則と「グリーンエプロンブック」の精神 (ジョゼフ・ミケーリ)
営業にとって、「外から電話をかける場所」は非常に悩みどころです。
移動中にテレアポをしなければいけない場合、
メモる体制になっていないといけませんから、
純粋に「外から」はなかなか難しいもの。
テレアポカフェがあったらいいのに‥
と言えば全国の営業の方には頷いていただけると思います。

個人的には、外から電話をかける場所として、
オープンスタイルのダイニングカフェが最適という結論に達しています。
私の先輩は電話ボックスを活用している模様。
‥ここまで来ると秘密結社か何かですねドア

某所のダイニングレストランで次の訪問まで電話がけをしていた際、
その日はかなり件数が多く、オーダーしてから席に戻るまでかなり間が空いてしまいました。
少し冷えたピザにがっかりしながら口に入れていると、
時間帯の責任者らしき店員の人が近づいてきて、
「お忙しそうですね」とひとこと。「あ、はい」と私。
「食後の紅茶をお持ちするのはもう少しあとにしましょうか」と聞いてくれました。
ランチも終わりかけの時間帯だったので、
さっさとドリンクを出し切ってしまいたいのが店の本音だったと思います。
そこをぐっとこらえて、
「お忙しそうですね」という客への気遣いの言葉から入ったことにびっくりしました。

店を出る間際、会計時にもう一度そのスタッフが対応してくれて、
「お腹はいっぱいになりましたか」と声をかけてくれました。
営業をしていると、「顧客の時間」しか見えなくなっていくものです。
スタッフの方がかけてくれたひとことは、
「私の時間」を気にしてくれる最高のひとことでした。
ハードな日程でも、こんな対応をされたら1日が楽しくなります。
サービスはまさに、基本サービスの上にホスピタリティマインドがあって初めて
人の心を捉えることができるのだと思います。

スタバではスタッフ個々人がセルフプロデュースにより接客にあたっていると聞いています。
それであのクオリティを保っているのだから驚きです。
さすが私の中で「一度はバイトしてみたかった企業No.1」。
今からでもまだ間に合う!?モグモグ
────────────────────────────────────────
■本書の構成
法則1〜5:世界各地のスタバでのベストサービス
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■立ち読みのポイント

ひたすらスタバ礼賛のため、あまりどこを切り取っておすすめというのはありません。
ですが、スタバ独特のオペレーションの解説もちょこっと入っており、
この部分は一般の人には目新しい内容になっています。

⇒61ページ【ドリンクオーダーの受け渡し】
カップにサイズを書き込んで、オーダーを復唱しながらドリンクをつくるスタイル。
元はコーヒーマシンの騒音に対して、オーダーを伝えに行くスタッフの
移動距離を短縮するために考案されたそうです。
これが本当だとすると、
敷地の狭い日本の店舗ではあまり意味を成さないオペレーションです。
しかし、スタバといえばあの掛け声が店内を明るくしている要素が強いように感じます。
カフェなので、コンビニのようにやたらに「いらっしゃいませ」や「XXはいかがでしょうか〜?」を
連発するわけにいきません。かといって沈滞したムードでは客を呼び込めません。
サービスにおいて、「挨拶」が果たす役割の奥の深さを感じます。

────────────────────────────────────────
私の場合、ブログのエントリーを書くにあたって、当然本を読まなければいけません。
いろいろなカフェに入って空き時間に本を眺めますが、
スタバはなぜか他のカフェより集中して本が読めるように感じます。
いくつか要因を考えてみました。
1)テーブル・ソファの配置が良い
本は体に近すぎると長く読んでいられません。
テーブルに置いた本と体の位置が適度に離れていてとても読みやすいのです。
2)室内禁煙なので席選びで苦労しない
日本の分煙ルールは事実上意味を成していないので、
吸う人の周囲を避ける苦労と無縁です。
3)適度なざわつきがある
あまりにもシーンとしていても気まずいですし、
マックみたいに若い人でガチャガチャなのもちょっとアレです。
スタバの客はしゃべるにしても、静かに落ち着ける場所を求めているようです。
4)長居しても注意を受けない
以前取引先の人とカフェに入って、「商談はやめてください」と言われたことがありました。
本当に店側が困っているのだとしても、この伝え方では興ざめです。
回転率の観点からはデメリットは大きいものの、
スタバはあえて長居する客を受け入れることで、
「長居できるからまた来る」という客にとっての別のモチベーションを引き出しています。
これは立派なリピーター獲得施策になっており、真の競争力になっていると思います。
────────────────────────────────────────
それでは5点満点での評価です。

タイトル(0)−
訳書なのでこれ以上変えようが無いのは事実。
でも、タイトルと内容がマッチングしているとどうしても思えません。
本書で語られる「5つの成功法則」として、
たとえば「独自の経験を作る」というテーマで章が括られているのですが、
読んでみるとどの章でも、
「顧客にこんなサービスをした」→「スタバのスタッフの対応は素晴らしい」の連続です。
個々の成功談はわかっても、
企業としてどのようなマネジメントでここまで発展してきたのかはこれではわかりません。
毎回のようにスタバ研究本には裏切られます。

ナレッジ(0)−
スタッフが自分で考えて行動する、という理想的なオペレーションがスタバの真骨頂です。
しかし本書に取り上げられる事例は、日本では起こり得ないような異常な「成功談」の連続で、
私たちがあまり学ぶ要素は少ないです。
たとえば、ドライブスルーの接客で、「次の客の分もこれで支払っといてくれ」という客がいて、
これが次の客の心を打って何順もしたというエピソードが出てきます。
現実的な話をすると、「会計上いったいどうなってるんだろう」という疑問が湧きますし、
日本ではまず起こり難いエピソードです。

スキーム(0)−
特に章立てに意味は無く、構成としては崩壊しています。
世界のスタバのベストサービス事例集です。

総合(0)−
あらためて評価を見直してみて、なぜこの本を買ったのか自分でも疑問ですあせあせ
それほどまでに自分の中でスタバのサービス精神や
オペレーションマネジメントを「知りたい」という欲求が強いということなのでしょうパクッ


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| サービスマネジメント(接客・商業施設・店舗経営) | 22:21 | comments(0) | - |pookmark
お店の運営改善マニュアル (本多正克)
皆さんは習いごとは続く方ですか?
私は臆病な上に自分に自信が無かったのでまったく長続きませんでした。
今は過剰なくらいの自信家なので反動がすごい‥

そんな私が一番長く続けたこと、それはTSUTAYAのバイトです。
大学生になってから、まる4年間もやっていました。
モデル店舗だったので客の出入りは多く
その分色々なタイプのお客さんに接する機会がありました。
後輩スタッフの教育をさせてもらったり、
多くのサービス体験をすることができ、
現在も私のサービスを考える際の拠り所になっています。

さて、アルバイトとして在職期間中に、
「ミステリーショッパー」なるものが何回か実施されました。
TV等でご存知ですよね。
依頼を受けた人が客に成りすましてスタッフの対応や店の清掃状況をチェックするアレです。
TSUTAYAではフィードバックシート(採点表)がスタッフルームに張り出されます。
皆で見ていると、「電話対応」という項目があってその備考欄に
「電話に出た人の声がかわいい」と書いてありました。
「それってお前の主観じゃん!」と仲間うちで盛り上がった記憶があります。
請け負ってる方も何か書かなきゃいけなかったんでしょうね‥

店長からは、「(ミステリーショッパーが)
ここ数日間であるっぽいから始礼で気をつけるようみんなに伝えて」と言われましたが、
私は新人スタッフが多い時間帯を預かっていたので、
「いつも通りに声を掛け合ってがんばりましょうね」とだけ言って
新人スタッフを変に緊張させないことだけを心がけました。
ミステリーショッパーがあることが本部から知れ渡ってしまっていることが問題なのですが、
実際、スタッフの立場からはあまり気持ちのいいものではありませんでした。

しかし当時の気持ちとは反対に、
ミステリーショッパーの果たす役割は大きいと感じています。
もはや商品力や立地だけでは差別化できない時代になりました。
第一、これらは黙っていても誰の目にもわかることです。
そこで注目されたのはサービスの質=特に接客です。
リッツ・カールトンをはじめホスピタリティについて説いた本が出版ラッシュを迎えています。
店舗を動かす「人」は常に変わりますから、その都度メンテナンスが必要です。
内部では目が慣れてしまってお客さんの感覚は失われていきますから、
外部から率直に意見を聞く機会は重要です。

私自身、セミナーを評価するブログを通して、
「ダメなものはダメ!」ではなく、どうしたらよくなるかを一緒に考え、
セミナーを選ぶ読者の皆さんだけにでなく、
主催者のレベルアップにも貢献していきたいと考えています。
これは自分の仕事としての商品営業や研修会運営に役立つからです。
そのためにはどんな観点から実態を見ればよいかを知ることはとても大事であり、
正に本書のように定点から意見を述べていきたいと思っています。
────────────────────────────────────────
■本書の構成
第1部:店舗の診断(業務効率・スタッフ育成・販売促進・店舗環境・顧客満足)
第2部:改善ツールのねらいと使い方
第3部:改善ツール(コピー取り用見本)
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■立ち読みのポイント
⇒104〜105ページ【客の動線】
インターネットでは効果測定をすることが当たり前。
トラッキングデータに紐づいて見ることができます。
ところがリアル店舗では驚くほど客の行動に無関心です。
POSの普及によりどんな属性の客がどの時間帯に何を買ったかはわかりますが、
何によって店を認知をしたのか、購入にあたり他の商品と迷うことは無かったかなどは
ほとんど無視されています。
本書ではこれを項目別に落とし込んでチェックできるツールを提供しています。
店内滞在時間、滞在ポイント、棚に対する目線の動き、手に取った商品、店内での動きなど、
ネットのアクセス解析にヒントを得ればどれも当然のことですよね。
中には取ってつけたようなツールもあるのですが、このツールは本当に実践的です。
────────────────────────────────────────
それでは5点満点での評価です。

タイトル(0)−
『お店の運営改善マニュアル』はあまりにもそのまますぎ‥
内容をよく表していても類書がごまんとある中では埋もれていきます。
見た目の厚さに助けれて棚に生き残っていくのがやっとです。
もし同じありがちなタイトルをつけるとしても、
「××や××での導入実績多数!
店舗ウォッチングのプロが初めて明かす改善ツールベスト30」ならどうでしょう。
これでもう少しは手に取ってもらえるはず。
ミステリーショッパーは原語のままだと実態をよく知らない人には
怖い・卑怯などといったマイナスのイメージを持たれてしまうので、
ここでは店舗ウォッチングのプロとしてみました。
いずれにしても、
もっと著者の原点であるミステリーショッパーの立場を活かすタイトル付けが必要です。

ナレッジ(1)★
立ち読みの時点ではすごくナレッジがあるように見えます。
ところがどっこい、買ってみるとなぜか内容が薄い印象を受けます。
なぜこうなってしまうのか?
それは著者自身の経験がゆっくり語られていないからです。
ツールはあくまでおまけであり、主にはなれません。
改善ツールを活用する以前に、
なぜこのツールで改善しなければいけないのかという
入口部分をもっと読者に訴えないと、改善ツールカタログ以上の価値は出ません。
タイトル同様、もっと著者の立場を活かした「顔」が見える
エピソードを収録して欲しかったです。
おそらく本書に書かれている内容は、本書のレベルまでまとめきれないとしても、
街の店長さんたちがなんとなく体で理解できていることです。
秀逸なエピソードによって読者のモチベートを図る必要があります。

スキーム(0)−
初めに店舗の現状を診断して、対処療法として改善ツールを充てていく。
スタイルとしては王道を行っています。
なのに、かぶりついでまで読む気になれない。
その理由は、ツールを使った成功事例が収録されていないことです。
「あなたは今こうですよ」、「これを使ってください」、までで、
「これを使ったらこんなによくなりました」が無いのです。
真似てやろう、有効活用しよう、という読者のモチベーションを引き出すことができません。
正しくは、
「ツールを使ってばんばん成功しているお店があります」、
「貴方のお店はどうですか、こんなことで困っていませんか」、
「でしたらまずは弱みを確認することから始めましょう」、
という流れから診断が始まるのが理想の導入かと思います。

総合(1)★
総合的な店舗診断ツール集という位置づけの本書。
少し欲張りすぎた気がします。
本を読む→活用するという流れを考えると作業量があまりにも多すぎです。
もちろん本書に書いてある内容をすべてしなさいという趣旨でないことはたしかですが、
無理に可視化した箇所もたくさんあり、
詰め込むだけ詰め込むのではなく、内容は厳選した方が読者にとってはより丁寧になります。


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| サービスマネジメント(接客・商業施設・店舗経営) | 23:14 | comments(0) | - |pookmark
「体験のすすめ〜時代の風を読む」セミナー (キッズシティージャパン/住谷栄之資)
小さい頃の夢って覚えてますか?
私は小学生くらいまで「漫画家」でした。
とにかく絵を描くのが好きだったから。
わかりやすいですね。いまぜんぜん違う職業についてますけど汗
おかげで今もイラストを描くとほんの少しだけ周りから褒めてもらえます。

違う職業についたということは、
成長の過程で社会を自分の目で見るようになり、考え方が変わったということです。
漫画ばっかり描いてもいられないとあっかんべー
いかに子どもの世界観が狭いところで形成されているかわかります。
このあたりは『ヨコハマ発熱!どうするんだ子供の教育』の回で
横浜市の中田市長がおっしゃっていた通りです。
(ちなみに私、漫画家の方をすごく尊敬しているので誤解なきよう!

大学生になる頃には新聞記者を目指していました(きゃっ)。
またまたなんてわかりやすい。
それではなぜ新聞記者だったかというと、
ここから少しまじめな話をします。

私が大学受験を控えた99年の暮れに
京都市伏見区にある日野小で小2の男児が殺害される事件が起こります。
男児は校庭で突然惨殺され、「てるくはのる」なる人物のメモが現場に残されました。
事件からひと月後に容疑者の高校生が割り出されます。
捜査員は任意同行で自宅近くの公園まで容疑者を誘導しますが、途中で容疑者に逃げられ、
近くの高層住宅の屋上からの飛び降り自殺によって事態が収束してしまいます。
容疑者のまま死亡させてしまった京都府警の対応がひどく非難を浴びました。

この事件が起きたときに、
いったい誰のために作られた社会なのかわからなくなりました。
被害者の遺族の悲しみはもちろんですが、加害者側も自殺しているのです。
犯罪加害者の多くが「自分はどうなってもいい、社会に怨みをぶつけたい」と考えています。
でも、どうなってもいいと「思っている」ことと、実際に「死んでしまう」ことは重みが違います。
被害者男児と遺族の無念には言葉も出ませんが、
加害者にとっての無念とはいったい何だったのかが非常に気になりました。
子どもの傍に居て話を聞いてやりたいと強く思いました。

残念ながら新聞記者になることは無かった自分。
でも、いつの時代も子どもの環境をつくっているのは大人だから、
大人が夢を見せたり、危険から守ったり、厳しく叱ったりしないと、
子どもはどうしていいかわかりません。
親や教師だけでは目が行き届かない時代になりました。
切り札は一度崩壊した「地域社会」だと思います。

キッザニアの話なのに出だしが楽しくなくてすみません。
でもこの事件を思い出すたびに、
自分が知らない社会を知ることの大切さ、
世の中は様々な反目が存在して成り立っていることを知る大切さを思い知らされます。

こう考えた時、教育の果たす力は大きいと言えます。
労働に従事するため、人とコミュニケーションを取るため、世の中の動きを知るため、
算数・国語・理科・社会、その他すべての教科に意味があります。
そして教科の力を活かすための、人間力・自己管理能力も必要です。

ワタミの渡邉社長のように中央から教育を変えていこうとしている方もいますし、
今回ご紹介する住谷さんのように民間から変えていこうとしている方もいます。
でも、いかに政治への参加やサービスの事業化が難しいとはいえ、
世にどれだけ「本気」の大人がいるでしょうか。
私自身を含め、すごく突きつけられている気がしてなりません。
────────────────────────────────────────
キッザニアについての説明は省きます。
実は私も行ったことがなくて‥メンズが一人で行っても見学できるのでしょうか?
セミナーの参加者では20名ほどが「経験者」ということです。
おそらく500名規模の会場が8割ほど埋まっていたので、
お仕事現役世代はまだまだ行ったことが無い方が多いのですね。

本セミナーは、
慶應丸の内シティキャンパス「夕学五十講」シリーズの一貫で開催されたものです。
場所は丸ビル7Fの同キャンパス(ホール)。
新丸ビルが出来てから東京駅に行ったことが無かったので、
前から気になっていた丸の内ハウスに立ち寄って来ました。
駅から近いし、商業商業仕切れない丸の内の具合が、学習環境に妙にマッチしていました。
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■講演の要旨
【自己紹介】
・1943年生、64歳、慶大商卒
・藤田観光にて箱根小涌園の旅館運営業務に2年間、瀬戸内海の直島開発に3年間従事
・WDIにてケンタッキーをはじめとする外食産業の出店を手がける(中略)
・2004年キッズシティージャパン設立
【現代の子どもの社会環境】
・学校、家庭、塾それぞれで完結する世界観
・知識偏重型の教育環境
・地域社会との接点が無い
・体験する機会の不足により社会性が未熟
【キッザニアのコンセプト】
・エデュケーション(学び)+エンタテインメント(遊び)
・職業体験、街づくりを通して社会貢献の仕方を覚える
・生きる力、社会性、コミュニケーション能力、公衆道徳を養う
【事業構造】
・売上収入は、スポンサー料、入場料、物販、飲食、ライセンスから成る
・入場料は子ども3,000円、大人2,000円
・1日2シフト制(午前・午後)1,500名収容可能
・オフィシャルスポンサー60社(1業種1社)
【ターゲット】
・ユーザーは、家族(週末・平日午後)、学校(平日午前)、地域住民
・コア層は7歳〜9歳
・50のパビリオン、80以上の職種を設けることでリピーターを確保
・専用通貨キッゾの預金やお仕事カードコレクションもリピーター確保に寄与
【今後の展開】
・国内では、キッザニア関西がららぽーと甲子園に2009年3月オープン予定
※2007.10/5日経12面に、「『キッザニア』関西進出」の記事が出ています。ご参考まで。
・海外では、ジャカルタ・ドバイが着手されている他、アジア・ヨーロッパ各地での展開を予定
【日本の課題】
・日本のサービス産業(ホテルを例に)は世界基準にほど遠い
・私たちが世界の歴史、宗教、文化を正しく理解できていないことが原因
・打開するには、
「日本固有の文化の再発見する」+「体験により自信を深めてチャレンジしていく」ことが大事
・まずはホスピタリティマインドを持つことから始めよう
────────────────────────────────────────
それでは5点満点での評価です。

内容(5)★★★★★
参加者の質問レベルが総じて高かったことが印象的でした。
その中のひとつ、「キッザニアの教育上の効果はどうか?」について。
住谷さん曰く、「子どもたちは純粋に仕事を楽しむことで親の仕事の価値がわかるようになり、
結果、家庭内でのコミュニケーションが増えた」とのこと。
私自身が子どもの頃は、「親は親、別格」と思ってきたのですが、
自分が親になってもおかしくない年代になってくると、
「親も人」とすごく思うようになりました(都合がいい!?)。
私の親は、日付が変わる頃に帰宅しても受験の調べ物を手伝ってくれたり、
朝いつも通りに朝食を並べていてくれたりしました。
全部気力で回してきたんだなと今ならわかります。
キッザニアのコンセプトで感心できるのは、
単に職業体験のみに留まるにあらず、街を社会と見立ててその一員として、
社会性(協調性・礼儀・自意識)を育てることをねらいにしていることです。
このコンセプトが無ければ、いかにキッザニアのシステムでも
キャピタリズム(≒商業主義)を解消することはできません。
たとえわずかな時間でもこうした体験の場を提供することが、
子どもにとって貴重な機会になることでしょう。

講師(5)★★★★★
自己紹介を見直していてびっくりしたのですが、住谷さんは御歳64なのですね。
起業家というと最近はぐっと年齢が下がって
30代の方の話を聞く機会が多かったのですが、
教育という分野(特に地域教育)は戦後からの変化を見ないと答えが出ないので、
私の親の世代でもある住谷さんの話を聞くことで
ずっと「日本の大人の看板」を背負ってきた方の想いを知ることができました。

資料(4)★★★★
配布物は、講師の経歴と話の順番を書いた紙のみ。
渡された時はあら〜と思いましたが、
話を聞きながら書き取るための時間的な余裕があったこと、
スクリーンがはっきり見やすかったことで、難はありませんでした。
広い会場を使った講義形式の場合、
スクリーンで勝負するか手元資料で勝負するかの判断がありますが、
照明も柔らかくスライドが落ち着いて見れたのでとてもよかったです。
最近、会場設定が良くないセミナーが続いていたので、なお感動。

時間(5)★★★★★
講義90分、質疑30分、計2時間。
住谷さんの講演では、
講義の中に短めの映像資料(キッザニア紹介VD・TVパブシティ実績VD・パビリオン紹介VD)が挟み込まれ、テンポ感がありました。
司会の方も、冒頭にご自身が娘さんとキッザニアに行った体験談を話したり、
事前アンケートの記入時間を設けたりして、
うまく参加者とのコミュニケーションを取っていました。
主催者が講義を台無しにすることが多いのですが、
久しぶりに「ホスピタリティ」(!)を感じる主催者を見ました。

費用(5)★★★★★
慶應MCCはチケットの事前購入方式を取っており、
まとめ買いをすると割引率が上がります。
ホームページを見たところ、あまり他の講義に参加する予定がなさそうだったのでくるりん
私の場合は一番割高な5,250円。
とはいえ、セミナー全体の質を考えると、とても妥当です。 

総合(5)★★★★★
セミナーとして初の5つ星をつけます!!
おそらく今後もこのクオリティは当分無いでしょう。
講師、テーマ、参加者の質、司会進行、講演時間、開始時間、
場所の選定、会場の設備、照明の明るさ、室内の温度調整、
料金、自分が聴きたかったこと、
すべての要素において文句なし。素晴らしい回でしたチョキ


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| サービスマネジメント(接客・商業施設・店舗経営) | 22:51 | comments(0) | - |pookmark
エキナカ商業施設『ecute』事例に見る新ビジネスモデル創造と成功の秘訣セミナー(JR東日本ステーションリテイリング・鎌田由美子)
今回はエキュートプロジェクトを立ち上げた鎌田さんの講演会。
しかも場所は品川。
ちょうど昼すぎの開始ということもあり、
ランチはエキュート品川で、という選択肢もありました。
でも、今日は駅ビルのatreに。

以前エキュート品川が出来たばかりの頃、
一度なかで食事をしたことがあります。
やはり昼間であったにも関わらず、
2千円近くして会計時にびっくりしたことを覚えています。
雰囲気で入ってしまった私が悪いのですが、
皮肉にも気軽に入りづらい印象を植えつけられました。
そこで今日はアトレ4Fのレストランフロアーに行ったのですが、
まずはこの話から。
────────────────────────────────────────
エスカレーターを降りるとすぐ、「RUBY CAFE」というお店があります。
お客さんの様子を見ていて、
どうもスムーズに席を立って行くなあと感じていました。
そのワケを自分が会計がする時になって初めて気づきました。
なんと伝票が無いのです!!
どうするのかというと、
ウエイターの方が
・頃合いを見計らってレジに誘導してくれます。
・レジ担当者へはテーブル番号の確認をして伝えます。

このオペレーションは、
・客を取り間違えない自信
・スタッフ同士の信頼関係
・帰り支度をする客への注意力
のすべてが無いと成立しません。要するに高度な接客スキルが要求されます。
「高度な」というのは、多くの店舗でこれを実現させるのは難しい
レベルのサービスを実施しているということです。

たかが伝票です。
でも確実にテーブルの場所を取っています。あえて目立つところに置く店もあります。
しかし客が食事をしたり、くつろいだりするのに何の関係があるでしょうか?
オペレーションを徹底する観点からは優れた発想ですが、
完全に店側の都合によるものです。
ずっと違和感を感じていたテーブル端の存在に、
今日ようやく気づくことができました。

店では「単に伝票を発行していないだけ」ということですが、
すばらしいサービスの在り方だと思います。
────────────────────────────────────────
さて、ランチが済んだら講演会。
以前ブログでご紹介した通り、『ecute物語』を読んで以来、
鎌田さんのマネジメント手法には強い関心を持っていました。
エキュート立川の開業でこのところエキュートの注目度は高くなっていますが、
こんなにジャストなタイミングで話を聞けるとは思ってもみませんでした。
他で講演をすることはほとんど無いそうなので、とても運がよかったです。
────────────────────────────────────────
60分の講演内容は、
・事業コンセプト
・エキュート各店の施設概要と特徴
・商品開発、店舗開発
・CS管理、ES管理
・チームのマネジメント
を中心に語られました。
事業コンセプトや各店の施設概要と特徴あたりは、
本に出ている内容とほぼ同じでしたが、
商品開発、店舗開発、CS管理、ES管理の話は
具体例が聞けてよかったです。
────────────────────────────────────────
それでは5点満点での評価です。

内容(3)★★★
ES管理の話の中に、
バックオフィスから店へと続く廊下に、
笑顔のトレーニング表を張り出すという紹介がありました。
無機質な駅構内の壁を少しでも明るくし、
従業員の気持ちを盛り上げていきたいという仕掛けなのだそうです。
ほとんど解説はされませんでしたが、
「大きな声でウイスキー」(おそらく母音の練習)という独特の合言葉を見て、
笑顔と共に売場に向かう従業員の姿が想像されます。

講師(3)★★★
本で描かれているよりもずっと柔らかくてウィットに富んでいて、
また芯の強さが伝わってくる方でした。
ただ、会場設定のせいでしょうか。
大型スクリーンを背に演台を使って話すと、
さすがに参加者との距離が出ます。
鎌田さん自身がずっと「〜でございます」という口上で、
悪く言ってしまうと本社会議のプレゼンを聞いているようでした。
中盤以降は場を和ます話の展開もあったため、
もっとゆっくり進行をしてもらえたらと残念でした。

資料(0)−
講演に関する配布資料は、
鎌田さんのプロフィールを除いて、
見出しのみを列記したレジュメ1枚でした。
明らかに主催者側が用意したもので、
話を聞くにも振り返るにも何の役にも立ちません。
時間の関係で流れの早い講演だったため、
なおさらスライドを抜粋して用意して欲しかったです。

時間(0)−
これも主催者側の不味さです。
鎌田さん自身は1時間ぴったりに収まるよう話をまとめてきましたが、
そもそもこの講演内容が1時間で良かったのかという疑問があります。
狭い意味でのビジネスモデルの箇所は捨てて、
もっと成功の具体例を長く聞きたかったです。
講演以前に、10分ほど主催者側の前説があったのですが、
明らかに冗長で内容の無いものでした。
1分でも多く講師に時間を使ってもらおうという配慮は無いのでしょうか。

費用(5)★★★★★
会員企業は、男性3,000円、女性1,000円です。
お見合いパーティーのような不可解な料金体系ですが、
鎌田さんの話が聞けて資料がダメでもこの料金ならば
まったく問題ないと感じました。

総合(1)★
鎌田さん自身は問題なくお話いただいていたと思います。
主催者が「講演」部分を預けっぱなしにしていたのが見てとれました。
始まる前は「ご期待ください」、終わってからは「素晴らしかったですね」ばかり。
もっと突っ込んで刷り合わせて、
1時間だからこの部分は削って、と講師にリクエストしていたら、
さらに聞き応えのある講演になっていたことでしょう。


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| サービスマネジメント(接客・商業施設・店舗経営) | 23:35 | comments(0) | trackbacks(0) |pookmark
三井不動産の商業施設事業戦略セミナー(三井不動産・安達覚)
大学生の頃、
就活で一番入りたかった会社の説明会で、
「地方に行くことが決まり、初めは本当に嫌だったけど、
行ってみたら今度はそこを離れるのが嫌になって‥」
という女性の営業社員の話を聞いたことがあります。

当時は「そんなことあるかい!」と否定していたのですが、
自分が同じ立場になってみると本当にそうでしたわーい

全国に営業所を持つ会社の方はたいへんですね。
地方勤務の方に話を聞いてみると、
皆最終的には地元の営業所長を狙っているそうです。
誰でも地元への関心というのは特別なものがありますよね。
────────────────────────────────────────
今回はアカデミーヒルズの不動産ビジネスのセミナーに参加してきました。
何しろ料金が高いので、講演のみで3万近くはちょっと‥と思ったのですが、
ららぽーとやキッザニアの話が聞けるのは楽しそうだなと判断して、
思い切って参加しました。
────────────────────────────────────────
講演者の安達さんは、
三井不動産の中でも商業施設部門を担当されていて、
ららぽーと関連の開発実績をお持ちです。

代表的な施設だけでも、
ららぽーと豊洲・横浜、LAZONA川崎、東京ミッドタウン、COREDO日本橋
といった首都圏にいれば誰でも知っている最新施設の
テーマとMD計画を中心に講演されました。

これだけの実績があれば、
天狗になって話が武勇伝気味になってもおかしくないところですが、
まったく押しつけがましさがなく、非常に聞き取りやすかったです。
────────────────────────────────────────
リーシングの考え方は一番勉強になりました。
三井不動産では、テナントのリーシングをプッシュ営業でされるそうです。
出店過多になりつつあるSC業態で勝ち残っていくためには、
同じような顔ぶれのテナントを起用することはできるだけ避けたい。
担当者たちの熱意でオリジナルのゾーニングを目指すというねらいです。

ライフスタイルは、地域によって、時代によって変化していきます。
地域の現状に即した施設づくりが求めらる中、
売場のみを考えるのではなく、集客装置を併せて考えたことが
成功要因であったと分析されていました。
ハード部分だけではなくソフト部分でも頭をひねる、
そんなところに今後のビジネスチャンスがありそうだと感じました。
────────────────────────────────────────
それでは5点満点での評価です。

内容(4)
開発実績が施設とテナントの両方から解説され、
MDやマーケティングの観点を背景とした具体的な話が聞けました。
安達さんの役職が本部長補佐なので、かなり上位の方と推察しますが、
ひとつひとつの案件を丁寧に解説される姿から、
本当に現場に近い立場で活躍されているのでしょう。

講師(5)
参加者の傾向に合った話し方をされていました。
同業者が聴きに来るためわりと硬い雰囲気になるのですが、
ユーモアを交えて見事に自分のペースを貫くあたり、
余裕さえ感じられました。

資料(4)
スライドの背景が黒に設定されており、配布資料も当然バックが黒あせあせ
よって、書き込みができませんでした!
スクリーンに映す時はかっこいいのですが、
配布資料は「未完」にしていて欲しかったです。

時間(4)
講演90分、質問30分、計2時間です。
事例が豊富かつ身近なので(首都圏にいれば)、
とてもバランスがよかったです。

費用(2)
個人で参加をしていると、29,800円はさすがにこたえます悲しい
内容はしっかりしていて満足なのですが、講演のみでこの費用は厳しいです。
たぶん企業派遣でも安くはないはずです。
それでも昼間にも関わらず満席だったので、
三井不動産の商業施設事業は注目を浴びているのですね。

総合(4)
費用の観点からは限りなく3点に近いのですが、
やはり内容を取って4点にしました。
敷居は高かったものの、しっかりとしたセミナーでした。
| サービスマネジメント(接客・商業施設・店舗経営) | 22:27 | comments(0) | trackbacks(0) |pookmark