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「体験のすすめ〜時代の風を読む」セミナー (キッズシティージャパン/住谷栄之資)
小さい頃の夢って覚えてますか?
私は小学生くらいまで「漫画家」でした。
とにかく絵を描くのが好きだったから。
わかりやすいですね。いまぜんぜん違う職業についてますけど汗
おかげで今もイラストを描くとほんの少しだけ周りから褒めてもらえます。

違う職業についたということは、
成長の過程で社会を自分の目で見るようになり、考え方が変わったということです。
漫画ばっかり描いてもいられないとあっかんべー
いかに子どもの世界観が狭いところで形成されているかわかります。
このあたりは『ヨコハマ発熱!どうするんだ子供の教育』の回で
横浜市の中田市長がおっしゃっていた通りです。
(ちなみに私、漫画家の方をすごく尊敬しているので誤解なきよう!

大学生になる頃には新聞記者を目指していました(きゃっ)。
またまたなんてわかりやすい。
それではなぜ新聞記者だったかというと、
ここから少しまじめな話をします。

私が大学受験を控えた99年の暮れに
京都市伏見区にある日野小で小2の男児が殺害される事件が起こります。
男児は校庭で突然惨殺され、「てるくはのる」なる人物のメモが現場に残されました。
事件からひと月後に容疑者の高校生が割り出されます。
捜査員は任意同行で自宅近くの公園まで容疑者を誘導しますが、途中で容疑者に逃げられ、
近くの高層住宅の屋上からの飛び降り自殺によって事態が収束してしまいます。
容疑者のまま死亡させてしまった京都府警の対応がひどく非難を浴びました。

この事件が起きたときに、
いったい誰のために作られた社会なのかわからなくなりました。
被害者の遺族の悲しみはもちろんですが、加害者側も自殺しているのです。
犯罪加害者の多くが「自分はどうなってもいい、社会に怨みをぶつけたい」と考えています。
でも、どうなってもいいと「思っている」ことと、実際に「死んでしまう」ことは重みが違います。
被害者男児と遺族の無念には言葉も出ませんが、
加害者にとっての無念とはいったい何だったのかが非常に気になりました。
子どもの傍に居て話を聞いてやりたいと強く思いました。

残念ながら新聞記者になることは無かった自分。
でも、いつの時代も子どもの環境をつくっているのは大人だから、
大人が夢を見せたり、危険から守ったり、厳しく叱ったりしないと、
子どもはどうしていいかわかりません。
親や教師だけでは目が行き届かない時代になりました。
切り札は一度崩壊した「地域社会」だと思います。

キッザニアの話なのに出だしが楽しくなくてすみません。
でもこの事件を思い出すたびに、
自分が知らない社会を知ることの大切さ、
世の中は様々な反目が存在して成り立っていることを知る大切さを思い知らされます。

こう考えた時、教育の果たす力は大きいと言えます。
労働に従事するため、人とコミュニケーションを取るため、世の中の動きを知るため、
算数・国語・理科・社会、その他すべての教科に意味があります。
そして教科の力を活かすための、人間力・自己管理能力も必要です。

ワタミの渡邉社長のように中央から教育を変えていこうとしている方もいますし、
今回ご紹介する住谷さんのように民間から変えていこうとしている方もいます。
でも、いかに政治への参加やサービスの事業化が難しいとはいえ、
世にどれだけ「本気」の大人がいるでしょうか。
私自身を含め、すごく突きつけられている気がしてなりません。
────────────────────────────────────────
キッザニアについての説明は省きます。
実は私も行ったことがなくて‥メンズが一人で行っても見学できるのでしょうか?
セミナーの参加者では20名ほどが「経験者」ということです。
おそらく500名規模の会場が8割ほど埋まっていたので、
お仕事現役世代はまだまだ行ったことが無い方が多いのですね。

本セミナーは、
慶應丸の内シティキャンパス「夕学五十講」シリーズの一貫で開催されたものです。
場所は丸ビル7Fの同キャンパス(ホール)。
新丸ビルが出来てから東京駅に行ったことが無かったので、
前から気になっていた丸の内ハウスに立ち寄って来ました。
駅から近いし、商業商業仕切れない丸の内の具合が、学習環境に妙にマッチしていました。
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■講演の要旨
【自己紹介】
・1943年生、64歳、慶大商卒
・藤田観光にて箱根小涌園の旅館運営業務に2年間、瀬戸内海の直島開発に3年間従事
・WDIにてケンタッキーをはじめとする外食産業の出店を手がける(中略)
・2004年キッズシティージャパン設立
【現代の子どもの社会環境】
・学校、家庭、塾それぞれで完結する世界観
・知識偏重型の教育環境
・地域社会との接点が無い
・体験する機会の不足により社会性が未熟
【キッザニアのコンセプト】
・エデュケーション(学び)+エンタテインメント(遊び)
・職業体験、街づくりを通して社会貢献の仕方を覚える
・生きる力、社会性、コミュニケーション能力、公衆道徳を養う
【事業構造】
・売上収入は、スポンサー料、入場料、物販、飲食、ライセンスから成る
・入場料は子ども3,000円、大人2,000円
・1日2シフト制(午前・午後)1,500名収容可能
・オフィシャルスポンサー60社(1業種1社)
【ターゲット】
・ユーザーは、家族(週末・平日午後)、学校(平日午前)、地域住民
・コア層は7歳〜9歳
・50のパビリオン、80以上の職種を設けることでリピーターを確保
・専用通貨キッゾの預金やお仕事カードコレクションもリピーター確保に寄与
【今後の展開】
・国内では、キッザニア関西がららぽーと甲子園に2009年3月オープン予定
※2007.10/5日経12面に、「『キッザニア』関西進出」の記事が出ています。ご参考まで。
・海外では、ジャカルタ・ドバイが着手されている他、アジア・ヨーロッパ各地での展開を予定
【日本の課題】
・日本のサービス産業(ホテルを例に)は世界基準にほど遠い
・私たちが世界の歴史、宗教、文化を正しく理解できていないことが原因
・打開するには、
「日本固有の文化の再発見する」+「体験により自信を深めてチャレンジしていく」ことが大事
・まずはホスピタリティマインドを持つことから始めよう
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それでは5点満点での評価です。

内容(5)★★★★★
参加者の質問レベルが総じて高かったことが印象的でした。
その中のひとつ、「キッザニアの教育上の効果はどうか?」について。
住谷さん曰く、「子どもたちは純粋に仕事を楽しむことで親の仕事の価値がわかるようになり、
結果、家庭内でのコミュニケーションが増えた」とのこと。
私自身が子どもの頃は、「親は親、別格」と思ってきたのですが、
自分が親になってもおかしくない年代になってくると、
「親も人」とすごく思うようになりました(都合がいい!?)。
私の親は、日付が変わる頃に帰宅しても受験の調べ物を手伝ってくれたり、
朝いつも通りに朝食を並べていてくれたりしました。
全部気力で回してきたんだなと今ならわかります。
キッザニアのコンセプトで感心できるのは、
単に職業体験のみに留まるにあらず、街を社会と見立ててその一員として、
社会性(協調性・礼儀・自意識)を育てることをねらいにしていることです。
このコンセプトが無ければ、いかにキッザニアのシステムでも
キャピタリズム(≒商業主義)を解消することはできません。
たとえわずかな時間でもこうした体験の場を提供することが、
子どもにとって貴重な機会になることでしょう。

講師(5)★★★★★
自己紹介を見直していてびっくりしたのですが、住谷さんは御歳64なのですね。
起業家というと最近はぐっと年齢が下がって
30代の方の話を聞く機会が多かったのですが、
教育という分野(特に地域教育)は戦後からの変化を見ないと答えが出ないので、
私の親の世代でもある住谷さんの話を聞くことで
ずっと「日本の大人の看板」を背負ってきた方の想いを知ることができました。

資料(4)★★★★
配布物は、講師の経歴と話の順番を書いた紙のみ。
渡された時はあら〜と思いましたが、
話を聞きながら書き取るための時間的な余裕があったこと、
スクリーンがはっきり見やすかったことで、難はありませんでした。
広い会場を使った講義形式の場合、
スクリーンで勝負するか手元資料で勝負するかの判断がありますが、
照明も柔らかくスライドが落ち着いて見れたのでとてもよかったです。
最近、会場設定が良くないセミナーが続いていたので、なお感動。

時間(5)★★★★★
講義90分、質疑30分、計2時間。
住谷さんの講演では、
講義の中に短めの映像資料(キッザニア紹介VD・TVパブシティ実績VD・パビリオン紹介VD)が挟み込まれ、テンポ感がありました。
司会の方も、冒頭にご自身が娘さんとキッザニアに行った体験談を話したり、
事前アンケートの記入時間を設けたりして、
うまく参加者とのコミュニケーションを取っていました。
主催者が講義を台無しにすることが多いのですが、
久しぶりに「ホスピタリティ」(!)を感じる主催者を見ました。

費用(5)★★★★★
慶應MCCはチケットの事前購入方式を取っており、
まとめ買いをすると割引率が上がります。
ホームページを見たところ、あまり他の講義に参加する予定がなさそうだったのでくるりん
私の場合は一番割高な5,250円。
とはいえ、セミナー全体の質を考えると、とても妥当です。 

総合(5)★★★★★
セミナーとして初の5つ星をつけます!!
おそらく今後もこのクオリティは当分無いでしょう。
講師、テーマ、参加者の質、司会進行、講演時間、開始時間、
場所の選定、会場の設備、照明の明るさ、室内の温度調整、
料金、自分が聴きたかったこと、
すべての要素において文句なし。素晴らしい回でしたチョキ


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| サービスマネジメント(接客・商業施設・店舗経営) | 22:51 | comments(0) | - |pookmark
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