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行動ターゲティング広告―ページビュー神話の終焉― (マイクロアド/渡辺健太郎)
評価:
渡辺 健太郎
インプレスジャパン
¥ 1,575
(2007-12-01)
ネットメディアを立ち上げる際に最も大事なこと。
―広告をどう入れるか。
ビジネスモデルに直結するため、
配置・サイズ・枠数はあらかじめよく練らなければいけません。
ここでサイトの目標収入が決まります。

ところが実際に広告を当てはめてみると、
コンテンツとのバランスが実に難しい!!
ネットメディアは曖昧さを嫌います。
紙メディアで許されているわずかな隙間も許してくれません。
たとえばユニクロのちらしを思い出してください。
正面にカシミアのセーターがどーんと来て、
楽しそうな家族の写真が横に並んでたりします。
週末に値下がりする素敵な商品群は端と裏面に整然と並んでいます。
しかしネットではユーザーの気を引くために大きな写真を使おうとか、
記事がページ内に入りきらないからフォントを思いきり下げようといった調整は利きません。
あくまでも全体のバランスを重視します。

そこであらためて広告の配置を考えてみると、
意外と入れることができる箇所が限られてくるのです。
いろいろなサイトを見ていて、
もっと広告を入れればいいのにと思うことはありますが、
実際問題、全体のバランスから見て、入れることのできる数が限られるのでしょう。
そこでリスティング広告の登場です。
少ないスペースを有効活用し、
かつユーザーの関心と矛盾しないモデルは衝撃的でした。

私が自社のサイトを立ち上げる際、
リスティング広告のモデルを応用する広告モデルをつくりました。
直接キーワードに対してではありませんが、
ユーザーの関心に応じて表示される広告枠を設けたのです。
それまで広告の配置といえば、TOPページありきで、
「売上を立てたいからクライアントの管理画面にも表示する」という展開を考えていました。
しかし、「どこにでも広告を」という姿勢を取ると、
ユーザーやクライアントにとって使い勝手が下がってしまいます。
特に管理画面は集中して作業をする場所なので、
広告を導入することには迷いがありました。
そんな時にサイトリスティングを模した広告の出し方を思いつき、
一気に広告の枠数が広がったのです。

広告は悪くすると、コンテンツの価値を下げるだけでなく、
ユーザーの作業性を低下させる要因にもなります。
たとえばこのブログでは、ブログパーツの導入をしていません。
そのわけは、「ユーザーの気が散る」からです。
同じ画面内で何か光っていたり動いていたりすると、
どうしてもそっちに気が散ってしまいます。
仮にコンテンツに集中しようとしても、
「広告を見まい」と決め込んだ時点で広告をかなり意識してしまっています。
その意味では動く絵文字も諸刃の剣のようなところがあります。
このあたりは「読みもの」・「作業もの」コンテンツの管理者は
じゅうぶんに配慮すべき点です。
────────────────────────────────────────
■本書の構成
第1章:行動ターゲティング広告の導入企業の事例
第2章:行動ターゲティング広告の市場性
・行動ターゲティング広告は、行動事実を期間で捉える究極のセグメント手法
・コンテンツ連動型⇒掲載面に紐づいておりユーザー行動とは関係が無い
・サイトリスティング⇒瞬間的である
第3章:行動ターゲティング3つの手法
【ビヘイビアターゲティング】
・ユーザーが閲覧したコンテンツや検索キーワードを蓄積しセグメント化する
・ノンセグメントのサイトを見ている時にセグメントに基づく広告を配信する
【リターゲティング】
・ユーザーが訪れたり商品を購入したサイト履歴を蓄積する
・ユーザーが同じ広告ネットワークに属するサイトを見た時に広告を配信する
【検索リターゲティング】
・ユーザーが入力した検索キーワード履歴を蓄積する
・ユーザーが同じ広告ネットワークに属するサイトを見た時に広告を配信する
第4章:新しいネット広告効果指標の在り方
・今後のサイト指標は、ユニークユーザー×滞在時間に移行する
・PVは、Ajax/Flashといったリッチコンテンツを読み込まず、
同一ユーザーによる閲覧もカウントしてしまうため、
広告効果を計る指標としてはもはや実情に即していない
付録1:数値で見る行動ターゲティング手法による効果の違い
付録2:国内のサービス提供会社一覧
付録3:最新のネットビジネス&ネット広告用語集
────────────────────────────────────────
■立ち読みのポイント
正直、あまりどこを見てくれという内容ではありません。
サイト担当者としては、教科書として読んでおくのが正解、という位置づけになりそうです。
新聞ではまだまだコンテンツ連動型広告を追っているため、
第3章を見て行動ターゲティング広告に3つの種類があることを頭に入れておくことは
勉強になります。
────────────────────────────────────────
それでは5点満点での評価です。

タイトル(2)★★
同様のタイトルはまだまだ少ないので、
この分野の先駆けとしてストレートなタイトルで○です。
副題の「ページビュー神話の終焉」も、
味気ない主題をサポートするキャッチになって利いています。
欲を言えばもう少し色気を出したいところ。
「ページビュー神話の終焉」=広告効果指標の在り方が変わる
ということが本書のテーマです。
主題を活かすとすれば、副題は以下のように変えてみてもおもしろいかもしれません。
例1:「行動ターゲティング広告―サイトリスティングの次に来るもの」
例2:「行動ターゲティング広告―ネット広告のネクストカマー」
元の副題は、ページビューだけではサイトを計れない、
という一般読者の意識を顕在化させることに成功しています。
もう一歩踏み込んで、次はこれだ!と言い切れると、読者も「おっ」となります。
特にリスティング広告が一服した時期なので、
「次」をズバリ指摘することでより多くの読者の目に留まるのではないでしょうか。

ナレッジ(1)★
テーマである行動ターゲティング広告については理解できます。
種類とシステムの仕組みについて専門的な立場で書き下ろしたのは、
本書が初なのではないでしょうか。
ただ、理解したことを明日からどう役立てるかについての説明がありません。
付録2に国内のサービス提供会社一覧が出てきますが、
たとえばこれらの会社と組んでどんな広告展開を打てばいいのか、
事例で見せて欲しかったです。
第1章に事例紹介はあるものの、
インタビューを受ける企業が「私たちはこうです」
と話す内容を客観的にヒアリングする内容になっていて、
特にこの部分で著者の分析は加わりません。
ただのインタビューではなく、
明確な成功事例として本編に割いて取り上げられていれば、
よし、明日からやろうという気になるのですが‥

スキーム(1)★
第1章と付録に疑問を覚えます。
まず導入事例について触れた第1章。
4つの企業の担当者へのインタビューが出てきます。
ところが、「導入しています。まだ導入し始めなので、これから成果を見守っていきたいです」
という論調なので、本としてナレッジを吸収するには物足りません。
インタビュー中のネットにかける広告費の内訳等は読んでいて参考になりますが、
肝心の行動ターゲティング広告の利用期間・効果についての記述はとても薄く、
これなら載せない方が良かったのではと思ってしまいます。
以上のように、「成果はまだ道半ば」な事例なので、
ページの配置としても最初に持ってくるのは不適当であり、
載せるとしたら最後ではないかと思います。
付録も同様に削れる要素です。
付録1・手法による効果の違いは大事なので、
各手法を説明する第3章に挟み込むという選択肢が取れます。
付録3・用語集は、本書を手に取っている時点で、
最新のネット広告動向に興味のある読者=基本的な説明はかえって不要
であると推測されるので、丁寧で好感は持てますが、
あえて切り落とすことで本としての統一感の方を選んで欲しかったです。

総合(1)★
私のようなネット広告初心者向けです。
明日から広告展開を見直さなければいけない担当者の方は、
広告代理店を即刻呼んでしまった方が絶対早いです。
そうした切迫した状況になければ、
明日のネット広告の運用を知る上で有効な1冊になります。
ただし、この広告を使ってものすごく成功したという話が収録されているわけではなく、
それゆえにどうしても話半分での理解に留まってしまいます。


JUGEMテーマ:ビジネス


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