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トンデモWeb業界 (小田原貴樹)
評価:
小田原 貴樹
ソフトバンククリエイティブ
¥ 1,575
(2006-06-23)
「サイトをつくろう!」
勢いよく立ち上がったプロジェクト。
次のひとことは、「いくらぐらいかかるのだろう‥」ということ。
「じゃ、次回までに調べてといて!」で会議終了。

会社がこれまで商用サイトを運営していない場合、
「どこに頼めばいいんだ?」ということになります。
実は上のひとコマは私の例で、
会議の直後から当ても無く制作会社を探しました。

調べてみると、相場感がまるで無い!!
大手は「3千万〜5千万くらいですね」って2千万分の開きは何!?みたいなことになります。
私がよく聞かれたのは、「ご予算はどれくらいですか?それに合わせます」ということ。
普段は自分が営業をかける立場なので、非常に居心地の悪い思いをしました。
結局、運良く細かく見積もりを出してくれる制作会社と組み、
合理的な価格交渉を経て納得のいく予算でスタートできることになりました。

サイトの立ち上げにあたっては、
「これでもか」というくらいいろいろな知識が必要になります。
本でもかなり吸収できますが、多くは経験則による世界です。

たとえばリスティング広告の出稿にあたって、
・入金からどれくらいで開始できるか
・審査のポイントはどこか(スポンサードサーチ)
・キーワードをどう収集するか
・サイトの品質が順位に与える影響はどれくらいか
これらはおそらく実際に運用してみないと掴めてきません。
本に書かれてある「規定」と「実際」で差異が見られます。

残念ながらこの経験則を一般の人は学ぶことができません。
オープン情報は話半分です。
このあたりをプログラマの観点からうまくまとめたのが本書です。
本当に今すぐにサイトを立ち上げなければいけない人は、
サーバの知識やセキュリティの知識よりも、ある種本書の内容の方が重要です。
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■本書の構成
第1章:WEB業界のプレーヤー(業種・サイトタイプ・主要企業)
第2章:WEBサイト制作の過程
第3章:プログラマの仕事
第4章:IT起業の実際
第5章:WEB業界の展望
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■立ち読みのポイント

⇒77ページ【サイト制作費の相場】
冒頭で私が困ってしまった相場感について、しっかりとした記述があります。
気をつけたいのは著者が指摘するように、相手先の制作体制。
大手メーカー系列で販売・コンサルを得意としていて、
実際には制作を他所に投げる会社が多くあります。
私が仕事をしていて常に大事だと感じるのは、「プログラマ・デザイナー」との近さ。
連絡体制もそうですし、物理的にも近いに越したことはありません。
大手に投げてしまうと、
窓口担当者を介してのやり取りになるため、大きなコミュニケーションロスが発生します。
(仕事を丸投げできる楽さはあると思います‥とても怖いことですけど)
その意味でも、小規模で目的とするサイトタイプの制作実績を持つ会社に預けることが
ベストな選択肢だと思います。

⇒146ページ【プログラマの質の見分け方】
さて、小規模の会社に依頼する場合、「彼らで大丈夫だろうか?」という疑念は常に湧きます。
実績を見れば安心はしても、「実績の中身」までは当事者以外にわかりません。
そこでプログラマの技術力を判断する要素として、
これから自分が預ける仕事の難易度に応じた見分け方が紹介されています。
デザイナー兼プログラマでマーケティングにも明るかったら最高ですね(夢のような)。

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WEBサイトをつくっていてたいへんなことは、
コンテンツ企画でもインターフェース設計でも営業でもSEOでもなく、
人材タイプの調整かもしれません。
本書ではプログラマVSデザイナーで書かれていますが、
少し広げるとそれぞれが大事にしているものは以下のようになります。
・営業⇒納期、管理画面の出来、サイトコンセプト、文字情報の正確性、広告価値
・デザイナー⇒ユーザーに表示する画面の出来、色、バグの影響によるデザインの崩れ
・プラグラマ⇒仕様書との整合性、ユーザビリティー、デバックの期間
・SEO業者⇒検索エンジン対策、キーワード選定、被リンク施策
・経営・担当役員⇒検索結果順位、サイト指標(PV・CVR)、費用(制作費・広告費)
こうして並べてみると、ディレクターって因果な立場ですね〜。
営業チームは顧客を背負っている=納期は絶対!
制作チームは安全を背負っている=品質は絶対!
ディレクターはすべてを背負いますから、5・6枚舌っす。
でも本書にあるように、「こうして妥協のない成果物が出来上がってくる」ことが
WEBのいいところだと思います。成果を全員で見ることができるので。
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それでは5点満点での評価です。

タイトル(3)★★★
書店でWEB系のコーナーに行くと、けっこう硬めの本が並んでいるので、
タイトルからしてけっこうインパクトがあります。
表紙がおちゃめなイラストで書かれていて、
「笑えそう、おもしろそう」と思う反面、
「単なる実話集なのでは?」という懸念もよぎります。
実際には文章こそ著者の人柄でおもしろおかしく書かれていますが、
内容はごくごくまとも。タイトルの良し悪しは判断し難いです。

ナレッジ(3)★★★
プログラマの人は笑いつつ読むとして、
むしろ営業系の人におすすめの本です。
プログラマの人と接していると、
軍隊で訓練されてきたかのように原理原則に則ろうとします。
好む好まないに関わらず、朝令暮改の世界で生きている営業サイドから見ると
どうしても理解しづらい信条なのですが、それだけこだわりが強い部分であることを、
共に仕事をしていく上で理解しておく必要があります。
逆に本書を読むと、なんとなく合点がいきうまく折り合えます。

スキーム(3)★★★
章同士のつながりが有機的かは怪しいですが、
とにかくストレスなくWEB系の本を読めることはありがたいことです。
人の性格や趣向を主に業界を俯瞰した本はあまりないように感じますから、
これからWEBを担当される方はかなり参考になるはずです。

総合(3)★★★
私は営業兼企画の立場でWEB制作・運営に携わっています。
おそらく開発サイドであるプログラマからは、
「今度はここ変えやがった」、「どうしてそんなに先を急ぐのか」
と疑問に思われてるんだろうな〜と思います。
プロジェクトは社内でほぼ私が専任の体制で動いているのですが、
実は外部に強力なパートナーがいることをいま一度感謝したい気持ちになりました。


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| ネットビジネス(業界・起業家・ウェブマーケティング) | 19:10 | comments(0) | - |pookmark
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