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なぜそこに感動が生まれたのか デザイナーズ・ウエディング ノバレーゼの創造と挑戦 (柏耕一)
先週、伊勢丹メンズ館で買い物をしました。
ここは本当にすごい品揃えで、今さらながらに舌を巻きます。

シャツの丈を詰めている間、適当にフロアを見ていたところ、
シャツを仕立ててくれた店員とは別の店員が近づいてきて、他の商品を薦め出しました。
その後、会計・郵送の手配でさらに別の店員が対応。

正直、とても違和感を感じました。

サービス業では、お客様と接するスタッフをころころ変えてはいけないのが鉄則です。
確かに、その日の経営的には”分業”にした方が効率は上がります。
でも、顧客満足は確実に下がる。

なぜでしょうか?

サービスは”人”に付いているからです。
たとえば、シップスかアローズに行って、
同じ商品で同じ値段ですから、立地を除けば、「対応のいい店員」から買いたいです。

買い物って、カネとモノを交換する行為だけでなく、
一連の「ショッピング」を楽しむ行為が買い物だと言えます。
(遠足が家に帰るまで遠足なように‥ちょっと違う?)

小学校の頃を思い出してみてください。
担任の先生が、基本持ち上がりで、”入学”の時に見てくれた先生が、
”卒業”年度の時にまた見てくれたりします。

塾やカルチャースクールといった教育サービスでは、
やたらに講師を変えないのが経営側の鉄則です。(学習効果が下がるから)

それと同じことが、どうやらブライダル業界にもあるようで、
今回は続けて立ち読みのポイントを先にご紹介します。

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■立ち読みのポイント

⇒107ページ【専任担当制のメリット】

ブライダル業界(結婚式場)では、通常、
1組のカップルに3人程の担当者が付くそうです。
営業→打ち合わせ→式当日と、段階に分けて担当を配置するやり方です。

ノバレーゼでは、これを担当者が1人でやります。
そのことによって、お客様へのモチベーションを上げ、
また、お客様からも信頼を強く持ってもらうことができます。

一般の営業でも同じことが言えます。
同行営業をしても、メインスピーカーは窓口となる担当者に絞る。
でないと、窓口が複数になった結果、
担当者間の知識・対応の差異、情報共有のミスが起きてしまいます。

一番営業にとって悩ましいことは、「商品知識」が身につきにくいこと。
これを埋めるべく、トップセールスは徹底的に商品のインプットとアウトプットを繰り返します。
それだけ不安要素になっているわけです。

私がいいなと思っているのは、
営業の人も現場に立ったり、開発を一緒に進める体制。
本人の負荷は上がりますが、結果的によく売れるようになれば、
長い目で見ればラクになります。
また、お客様から信頼されるので、仕事が嫌になりません。

専任担当制を敷くノバレーゼは、
誰もが店舗マネージャーになれる仕組みを導入しており、
強い人材が育ちそうですね。

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■本書の構成
第1章:社員の活躍エピソード
第2章:会社を発展させるマネジメント手法
第3章:創業の経緯
第4章:ノバレーゼの競争優位性
第5章:ブライダルビジネスの仕掛け方、今後の方向性
──────────────────────────────────────
それでは5点満点での評価です。

タイトル(0)−
本書のタイトルにちなんで、「なぜこのタイトルにしたのか」と言いたいです。
書店では、多くは起業、もしくはブライダルの棚に並んでいます。
点数の少ないブライダルならまだしも、
起業の棚に置いてあってこのタイトルでは誰も手に取りません。
読者ターゲットが、ブライダルマーケット志望者、もしくは業界関係者であることを考えると、
完全に差別化を誤ったタイトルです。
オビがまたまずくて、「すごい企業のとてもつもない軌跡!」とあります。
「すごい・とてつもない」の中身を、コピーに落とせなかったことがとても残念。
 ・「だからブライダルビジネスはおもしろい」
 ・「自分たちが挙げたい結婚式をつくる!仕事」
あたりはどうでしょうか。
やや業界紹介本寄りなコピーですが、ターゲット読者にはより響くでしょう。

ナレッジ(2)★★
第1章・第2章だけを読むと、会社PRのようになっていて(「いい会社なんですよ」という)、
ここにターゲット読者のヒントとなることは落ちていません。
正直私も買うのを相当ためらいました。
とても珍しいケースで、本書は第4章・第5章でかなり盛り返します。
このあたりにノバレーゼの事業戦略や、
ブライダルマーケットの予測が書かれてあるので、
当然読者の興味もここに集中します。
鼻持ちならない前半が嘘のように、「正しく苦労をしてきた」ことがわかる後半になっています。

スキーム(2)★★
大きく分けると、
A)会社・社員紹介→B)起業のストーリー→C)事業戦略という流れで構成されています。
問題は、Aが始めに来ていることです。
読者が誰も共感しないうちから、会社のキープレーヤーの紹介がえんえん続くので、
どこに重点を置いて読めばいいかわかりません。
どうしても社員の顔を紹介したい意図はわかるので、
後半にまとめるか、コラム的に章末に括るかすると効果的だと感じています。

総合(2)★★
立ち読みでの時点で響かなかった本は、買ってもやはり響くことはありません。
その常識を良い意味で裏切ってくれました。
ブライダルに興味がない人には、「おもしろいか?」な内容ですが、
サービス業に関わっている方はヒントになることがあると思うので、
第3章から(笑)読んでみることをおすすめします。


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