一定期間更新がないため広告を表示しています

評価:
![]() 伊藤 守 ディスカヴァー・トゥエンティワン ¥ 1,575 (2008-03-13) |
「こいつ何でこんなに物分りが悪いんだ(怒)!!」
ビジネスの現場でそう思ったことは皆さんも一度や二度ではないでしょう。
最近だといつそう感じたでしょうか。
この考えが頭をもたげると、
イライラして相手の話や悩みを聞けず、
途中で会話を遮ってついこちらから結論を提示して話をまとめてしまいます。
自分的にはすっきりなのですが、
相手はそれで納得するでしょうか?
コーチングというと、「相手を伸ばす力」というイメージが真っ先に湧きます。
しかしその本質は、「自分が伸びる力」というのが私の今の解釈です。
これから以下の立ち読みのポイントで解説していく事柄は、
仕事場でのコミュニケーションの作法であって、
すべて自分を見直すことから始まります。
実際のコーチングプログラムは高額な上に定期的な時間を取られるので、
一般の人にはかなりハードルが高い世界です。
まずは著者が推奨する「3分間コーチ」から始めてみませんか。
──────────────────────────────────────
■本書の構成
第1章:1回3分間の時間を取るメリット
第2章:声をかける/かけられるタイミング
第3章:部下に話をさせる方法
第4章:行動を促す目標の与え方
第5章:コーチ型マネージャーが留意すること
──────────────────────────────────────
■立ち読みのポイント
⇒41ページ【 3分間の量 】
私たちは仕事が緊密化してくると、要領のいいコミュニケーションを取ろうとします。
それはロジカルに要点をまとめ、
"必要な時に"相手に聞きに行くという行動になって表れます。
コミュニケーションの"質"の部分の重視です。
筆者が言う3分間コーチとは、
まず部下について考える時間を自分の中で設け、
そして1日3分でよいから考えた内容について実際部下と話す時間を取りなさい、
というものです。
私はずっと「(コミュニケーションとは、)質が高ければいいだろう」
と思い込んできましたが、そのことに限界を感じるようにもなりました。
コミュニケーションの質のみが高い人は、
頼りになる反面、冷たい感じ、
もっと言うと聞きたいことを気軽には聞けない関係にあるのです。
そうすると、昔自分が否定していた
コミュニケーションは質より量という考え方が適正なような気がしてなりません。
◇◆◇3分間コーチの本質◇◆◇
1)部下について考える時間をあえて取る
2)部下と会話する時間をあえて取る
⇒継続したコミュニケーションの総量が付き合いの本質に影響を及ぼす
----------------------------------------------------------------------------
⇒100ページ【 具体的な声のかけてもらい方 】
私が会社で情報をリリースする立場柄、
会社情報以外にも自分で拾ってきた営業情報をリリースすることがあります。
その時に必ず疑問に思うのが、
「なぜ皆情報を取りに来ないのか」ということ。
せっかく有用な情報をリリースしても、そこにアクセスしてくる人はごく一部なのです。
…もったいないですね。
しかしマネジメントの本質は"自分を疑うこと"です。
何が自分に不足しているのか?
3分間コーチでは、部下の側からも話してもらわなければなりません。
見えないアラートを日々未然にキャッチしていくのです。
筆者は、情報を発信するとき、声をかけてもらいやすくなるよう、
次のような考えを実践するよう紹介しています。
◇◆◇具体的な声のかけてもらい方◇◆◇
× 漠然とした依頼
・「何かあったら声をかけてくれ」
・「いつでも相談してくれ」
○ 具体的な依頼
・「プレゼンの前、企画書を書く前、営業のあと…」
・「キャリアについて話したいとき、頭の整理をしたいとき…」
大事なのは、具体的な困りそうな場面を思い浮かべること。
私に不足していたのは、情報そのもののアクセスについて話すだけでなく、
他にどんなときに対応可能か伝えることでした。
以降は情報をリリースする際、
自分の得意分野が何なのかを含めて発信するようにしています。
----------------------------------------------------------------------------
⇒124〜128ページ【 黙っていることにも理由がある 】
会議やミーティングをしていると、
どうしても話を振る人(=たいていリーダー)が流れの組み立てだけでなく、
意見出しまで行わなくはいけない状況によく陥ります。
そんなときは、「こいつら〜」と思うわけですが、
冷静に考えてみると、参加するメンバーにも様々な事情があります。
知識が無い・遠慮がある・考えをまとめきれない・眠い・関心が無いなど
人それぞれ条件が違います。
本書によれば、「黙っている事実」を責めるのではなく、
どうしたら本人がしゃべりだすか、しゃべりたくなるか、
それを考えるのがリーダーの役割だと述べられています。
私たちはつい、その場で成果を出すことに気を奪われますが、
リーダーこそ時間をかけて話し合う仕組みをつくることを
考える必要がありそうです。
◇◆◇黙っている事象の背景◇◆◇
・ひとりひとりの理由を知る
・話し出せる条件(環境)をつくる
----------------------------------------------------------------------------
⇒149ページ【 ビジョンのつくり方 】
ホテルの社内研修で、GM(ゼネラルマネージャー)がスタッフひとりひとりに、
「どんなサービスをしてみたいか」を問いて回った例が紹介されています。
GMは結局「答え」を説明しません。…手抜きではありません(笑)
この前段で、ビジョンの多くは始めから存在しているものだが、
ひとりひとりが自分なりに理解することで
パフォーマンスが最大化されるということが示されます。
このGMがやりたかったことは、
自分がビジョンそのものについて語ることではなく、
スタッフにビジョンについて考える時間を与えることでした。
筆者はこれを「問いの共有」というナレッジでまとめています。
問いが共有されることで、ひとりひとりがその問いについて考え、
組織全体でその問いについて答えを見つけようとする"環境"が生まれるということです。
◇◆◇ビジョンのつくり方◆◇
・一方的に見せても部下は動かない
・問いを共有することで鮮明になる
──────────────────────────────────────
それでは5点満点での評価です。
タイトル(3)★★★
コーチングというとボリューミーな本を想定しますが、
「3分間」というキャッチによって、「簡単にできそう」な気がしてきます。
本書も厚さの割に内容は平易です。
サブタイトルの「ひとりでも部下がいる人のための〜」も
ひじょうに具体的な使い方だなと思いました。
ナレッジ(4)★★★★
言っていることはとてもシンプル。
でも実践するヒントを得られます。
スキーム(2)★★
3分間コーチ自体が複雑なものを目指していないので、
前後に伏線を張ってという込んだ構成にはなっていません。
総合(3)★★★
リーダー・マネージャー必読です。
読みやすいところがポイントなので、
周りにマネジメント(正確にはリーダーシップ分野)に悩んでいる人がいれば、
本の内容を共有してみるのもいいかもしれません。





- ヒット率が上がるホームページの作り方 (ベンチャーソリューション)
⇒ ぜろよんご (05/25) - ヒット率が上がるホームページの作り方 (ベンチャーソリューション)
⇒ 倒産 (05/12) - 価格.com賢者の買い物―カカクコムの起承発展 (久保田正志)
⇒ ぜろよんご (12/11) - その1人が30万人を動かす! 影響力を味方につけるインフルエンサー・マーケティング (ブルーカレント・ジャパン/本田哲也)
⇒ ぜろよんご (12/11) - 価格.com賢者の買い物―カカクコムの起承発展 (久保田正志)
⇒ 小野 (12/10) - その1人が30万人を動かす! 影響力を味方につけるインフルエンサー・マーケティング (ブルーカレント・ジャパン/本田哲也)
⇒ EIJI (12/09) - ネット業界・企業(伊藤靖)
⇒ ぜろよんご (12/01) - ネット業界・企業(伊藤靖)
⇒ Ariel (11/30)
- March 2009 (1)
- February 2009 (1)
- January 2009 (5)
- December 2008 (9)
- November 2008 (4)
- October 2008 (2)
- September 2008 (3)
- August 2008 (4)
- July 2008 (2)
- June 2008 (8)
- May 2008 (1)
- April 2008 (1)
- March 2008 (3)
- February 2008 (7)
- January 2008 (2)
- December 2007 (14)
- November 2007 (16)
- October 2007 (6)
