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転職哲学(楽天証券経済研究所・山崎元)
転職に関する相談は誰にでもできるものではないです。
そういう意味では、なんとなく性に関する相談に似ています。
よって、必要な情報が不足しがちです。

私自身、転職を経験している立場から、
たとえ過去のこととはいえ、
あの時どういう行動を取れば正解だったのだろう、と気になることはたくさんあります。

今は採用する立場でもあるため、
本屋で就職・転職に関するコーナーをチェックするようにしています。
見ていて気になるのは、
「履歴書の書き方」や「面接の受け答え方」マニュアルの多さ。

こうした本は読者からすれば見やすいものが1冊あればよいもの。
しかし、転職者が本当に悩むことについては、
回答している本が1冊としてありませんでした。
今回はいきなり立ち読みのポイントから行きます。
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■立ち読みのポイント

⇒150ページ【転職先は言わなくてもいい】
私がずっと気になっていたのはまさにこの部分。
別に後ろめたいことがなくても、
公表することで上司から何か言われないだろうかと心配になります。
著者によれば、転職後のことは本人の問題だから言わなくてもよいとのこと。
こんな簡単なことに今までの転職本は答えてこなかったのです。
少し酷な話ですが、
転職したことが無い人が転職本を編集するのは滑稽なことです。
編集者にしてみれば「たまたま生え抜きなので仕方がない」のでしょうが、
明らかに出版社側の人選ミスで、必要な情報が出てこないわけです。
本書はあとがきにあるように、
転職を経験された方が企画・編集に携わっており、
著者の分析と相まってとてもライブな内容になっています。

⇒110ページ【転職の最適回数】
既刊の転職本の罪はもうひとつあって、
転職が一般化すると同時にそれに警鐘を鳴らす本が増えてきていることです。
もちろん、今の会社に留まることでどれほどのメリットがあるかを考えることは、
転職を考え始めた時点でとても大事なことです。
若い人が熟考できるように情報を提供していることはいいことだと思います。
ただし、ともすると脅しに近いような内容になっていて、
転職者は後が無いという論調でまくしたてるものだから、
本気で現状をどうにかしたいと思っている人には、
とても絶望的な内容になってしまいます。
本書が優れているのは、徹底して転職者の味方になっていること。
2回目以降の転職では、
「もし失敗したらどうしよう」、
「その時はあと何回まで社会的に許されるのだろう」ということが気がかりになります。
誰も失敗したくて失敗するわけではないから、
後が無いと言われたら誰でも落ち込みます。
本書の一貫した論調として、
「自分にとって最適な仕事がすぐに見つかるわけではないから、
数回くらいの失敗はやり直しが利く」という観点があります。
追い詰められた人を追い込むのではなく、
しっかりと前を向かせるエールになっていると感じました。
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本書の構成は、
PART1〜2:転職に対する考え方
PART3:転職活動の進め方、注意事項
PART4:その他

その他って何だ?と思われるかもしれませんが、「その他」ですイヒヒ
基本的に全編を通じて必要な情報が散りばめられているので、読んでいて飽きません。
飽きない理由のもう一つに、著者の語り口のうまさがあります。
ビジネス書として通用するようまじめな文章で書かれているのですが、
著者の経験が語られる時には笑いを誘うようなしゃれた表現になっているのです。
このあたりはぜひ私も吸収していきたいと思いました。
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著者である山崎元さんを、元々は知りませんでした。
本屋で上記のような似た転職本が陣取る中、
隅っこの方に『僕はこうやって11回転職に成功した』なる本があり、
思わず手に取りました。
こちらは自伝的内容が濃く、「知識を得るには向かないな、
同じ著者でもっと体系的に転職のアドバイスをまとめた本があればいいのに」、
と思っていたらその隣に本当にあったのです!
ブログを開設しているとのことでさっそく見てみると、
どこかで見覚えのある顔写真。
「typeの連載を書いてる人だ!」とすぐにわかりました。
それにしても11回‥今は12回に増えていて、
楽天証券経済研究所客員研究員をされている方です。

著者が自分でつっこんでいるように、
さすがにこの回数は‥というのはありますが、
転職活動で最も参考になるのは転職したことのある人の言葉です。
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私が始めて本当に転職をしたいと思ったのは、
地方勤務の辞令が下ったときでした。
新卒で入社して1年半が経った頃です。
ようやく担当地域の実績が出揃い始めたときだったので、
何を考えているのだと会社が信じられませんでした。

既に転職をした友人がいたため話をしたところ、
「地方勤務を断ることと会社を辞めることは違う」と諭されました。
この言葉を聞いた瞬間は、
「せっかく意思を固めつつあるのになんで‥」と思ったのですが、
言われてみればその通りで、両者はまったく違う選択肢なのだと気づきました。
結局この時は会社を辞めることなく指定された地方に赴任しました。
もちろん地元を愛していればこそ辞めねばとまで思ったのですが、
地方に行ってみるとまったく異なる文化が存在していて、
自分の幅を広げるのにとても有効でした。
結局、「それでも情報は東京に集中している」という判断の下、
あまり長くは留まりませんでしたが、
最適な決断ができたのも、経験することを拒まなかったからです。

今になってみると「そんな理由で辞めようと思うなよ」
と笑ってしまいたくなるのですが、
当時はこれまで築き上げてきたものを守ろうと必死でした。
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それでは5点満点での評価です。

タイトル(0)−
惜しむらくはタイトルです。
『転職哲学』、誰が手に取るでしょうか。
私のケースのようにインパクトのある同著者のタイトルが並んでいる場合は
手に取ってみる気になりますが、
必ずしも棚の中で並ぶ順番が決まっているわけではありません。
それに置かれている位置も、
就職や転職にまつわるエッセイ・思想系の棚に入っていて、
本当に必要な情報は本書に入っているのに、
履歴書・面接マニュアルに押されて存在感を発揮できません。
ご自身のブログ、「評論家・山崎元の王様の耳はロバの耳!」では、
2007年05月21日のエントリーで新しい単行本についての言及があり、
「もし出すとしたら『会社は2年で辞めてもいい』にしたい」
ということが書かれてあります。
このタイトルなら、「引き留め本」ブームの中でも、
異彩を放ってもっと多くの人に読まれることでしょう。私は読みます。

ナレッジ(5)★★★★★
5以上があればそれをつけたいくらいです。
本当に転職する人はマニュアル本を別途1冊買う必要がありますが、
「会社を辞める時のマナー・リスク」をここまで具体的に取り上げた本は他にありません。
立ち読みのポイントで指摘した以外にも、
「引越しは経済的負荷になる」という転職者なら誰もが感じていて、
かつ未経験者には実感として得がたい部分にも言及があります。
こういうことを伝えずに金太郎飴的に
「辞める時に会社に提出する書類は、1つ、2つ‥」とやっている
類書は一体何なんだろうと思います。

スキーム(4)★★★★
表紙もレイアウトも、とても地味で褒められたものではありません。
ただ、著者の論調がはっきりしていて、
転職前〜後まで順を追ってまとめられているので、
その意味で読みやすいです。
前出のブログでも、講演前に話す内容を整理していることが公開されていますが、
「ターゲットとなる読者が知りたいこと」は何なのかをつきとめた構成になっていて秀逸です。

総合(5)★★★★★
転職者には本人の中で英雄的な側面と落伍的な側面があります。
私自身このエントリーですべてを公開できているわけではありません。
それを考えると、自身の経験を題材にして、
(実際に勤務した社名を挙げて成功だったか失敗だったかを採点している)
次代にノウハウを遺していこうとする著者の試みは貴重です。


JUGEMテーマ:ビジネス


| 人材マネジメント(採用・研修・転職・モチベーション) | 16:58 | comments(0) | trackbacks(0) |pookmark
採用氷河期―若手人材をどう獲得するか
評価:
原 正紀
日本経済新聞出版社
¥ 1,575
(2007-10-23)
人を採用するとき、皆さんは応募者のどこを見ますか?
人格、スキル、それとも経歴‥いろいろな観点があります。

私自身、契約社員の方を採用する立場から、
ふだんからどんな方が最後まで残っているかを分析しています。

おもしろいことに、
次の3つの共通項があることに気がつきました。
・説明中にメモを取っている
・受付時の第一声が笑顔
・面接中、要所で相槌が打てる

そんなことか‥と思うかもしれません。
実際、コンピテンシー採用を意識したりしますが、
応募者の能力が開花されていないとき、
良さを引き出す苦労だけで面接が終わってしまうこともしばしばです。

だからこそ、
本筋と関係ない「その日の行動」はキーになります。
上の3つができている人は、
その後も組織の中でひたむきにがんばってくれる傾向があります。

「人事は営業出身者がやるべき」は私の持論ですが、
人事のプロの方が何を考えているのかは常に気になります。
最近の人事系の新刊として、今回は本書をご紹介します。
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本書の内容は、
第1章から第3章までが採用難の現状分析、
第4章から第8章までが効果的な採用手法の紹介、
ざっくりとこのような構成になっています。
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■立ち読みのポイント
あえて上げるとすると、
⇒21ページ・57ページ
採用難の現状分析を、
学生の選択肢の広がり、採用難スパイラルの構造からまとめています。
⇒191ページ
新日本電気サービスのマネジメント手法。
この他にもいくつか企業の事例を見ることができます。
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それでは5点満点での評価です。

タイトル(3)
ネーミングはうまいのですが、
採用(+)・氷河期(−)の相反する言葉をひとつに並べたときに、
インパクトが弱くなってしまう印象を受けます。

ナレッジ(2)
データ集として購入することをおすすめします。
代表的な指標から最新の新聞記事に基づく情報まで、
抜け目なく網羅しているので、教科書として最適です。
読み物としておもしろいかというとそうではないので、
好きな本との併せの1冊として買ってみてはどうでしょうか。

レイアウト(2)
見出しごとに必ず図表が入り、
文章を追わなくともすっと理解できる便利さがあります。
パソコン雑誌でソフトの操作方法を見るようです。
資料の出典や採用手法のポイントが整然とまとめられていて、
「教科書」としての完成度を高めています。
特に読みにくい箇所はありません。

総合(2)
資料がよく集められていて、
こんな本が1冊欲しかったと思っていました。
データ自体はどれも基本的なものばかりですが、
やはり1冊にまとめられていると使い勝手が違います。
著者が分析した事例も読めます。
ただし、人材マネジメント系の本にありがちな、
「網羅的だが特におもしろいわけでもない」という気が本書にも少しあります。

JUGEMテーマ:ビジネス


| 人材マネジメント(採用・研修・転職・モチベーション) | 23:14 | comments(0) | trackbacks(0) |pookmark
イチロー哲学―至高の頭脳が自然と身につく
今回ご紹介するのはイチローの本。
奇しくも昨日、ワールドシリーズで初勝利を上げた松坂(おめでとうチョキ)。
でも本編に入る前に、
いま注目を浴びている岡島投手についてお話したいと思いますベースボール

19日の日経新聞では、「岡島、成長する転石。繰り返す移籍と順応」
の見出しと共に、今日までの軌跡が記事になっています。
記事を見ていて思ったことは、
「自分がチャンスだと信じたら機を逃さずに挑戦すること」。

レッドソックスの岡島投手は93年に巨人入団後、
05年に日ハムへトレード。
当初予定していた先発要員から中継ぎ要員になりましたが、
自己最高の防御率と共にチームの日本一に貢献します。

すごいのはここから。
「中継ぎの重要性・評価が高い」という理由からメジャーへ挑戦。
そしてご存知のようにシーズンはもちろん、
ワールドシリーズ第2戦では2回1/3を無失点で抑える大活躍をします。

歴史が怖いなと思うのは、
もし成功を収めた日ハムを1年で去る決断をしていなければ、
メジャーでのリーグ優勝もワールドシリーズ出場もそこでの登板もなかったのです。
自分の持ち味を知った上での英断に驚かされます。

ビジネスにおいても、優れたビジネスモデルはすぐに実行しなければ
あっという間に陳腐化してしまいます。
人も同じで、自分が成長できるフィールドを自分で選び取ることができなければ、
運に任せるのみのキャリアになってしまいます。

人にはそれぞれしがらみがあるので、
実際には自分の都合だけで決断することはとても難しいのですが、
常に決断するのは自分なのだということを思い起こさせてくれました。

イチローも決断することに長けた1人です。

以前、レアリゼのモチベーションセミナーに参加した際に、
講師の真田先生もイチローのことを取り上げていました。
セミナーのことはいつか別の回に詳しくお話しますが、
それもあって本書を手に取ってみる気になりました。

本書のポイントは、「はじめに」に、よくまとまっているので、
まずは見ていただいて、
絶妙なイチローらしさは33ページで見ることができます。
「自分が認めない限りスランプではない」。見習いたいです。

個人的には47ページの北島康介選手の言葉もピンときます。
「すげえ変な自信を持っていないと、やっぱまずいじゃないですか」。
営業、特に現場営業をするにあたっては、
「自信」こそが最重要ファクターになります。
私も外に出る時には、「自分がこの分野のNo1営業なのだ」
と常に自分に言い聞かせています。

イチローの話が少ない上に長い本文になってしまいました汗
それでは5点満点での評価です。

タイトル(0)
平凡なタイトルはイチローのビッグネームでカバーできるとして、
本の装丁の方はフォローできません!
銀色のオビが光に反射してコピーも死んでいます。

ノウハウ(2)
イチローの言葉を様々な切り口で収録しているのですが、
ともすると礼賛ぎみで著者の個性が見えてきません。
イチローの言葉を膨らます以外のアプローチで、
著者なりの観点からもっと読みたかったです。

レイアウト(2)
見開き完結型の構成で、
右にイチローの言葉、左に著者の解説が入ります。
このスタイルは単調で飽きが来ることが多いのですが、
一気にすっと読ませてくれました。

総合(2)
どんな立場の方でも、
イチローの言葉はいくつか参考になるものがあるはずなので、
買って損はしないです。
流し読みが可能なので、難しい本との併読に最適です。
| 人材マネジメント(採用・研修・転職・モチベーション) | 00:41 | comments(0) | trackbacks(0) |pookmark
ムダ!な研修
評価:
福嶋 覚
日本実業出版社
¥ 1,470
(2007-09-28)
私がセミナーに参加する際、
講演内容はもちろんですが、
他にもいろいろなところをチェックするようにしています。

たとえば、
受付の体制、講師の立ち位置、休憩の入れ方、資料配布のタイミング等々。
すべて自分が当事者になったときに役立ちます。
下手な講師に当たってしまった時さえ、
「なぜこのセミナーではマズイのか」を考えます。
なかなか普段の自分を客観的に捉えることは難しいのですが、
お客さんの立場になるとすっと腹に落ちます。

そんなことを期待して購入したのが今回ご紹介する
『ムダ!な研修』です。

立ち読みのときにはまず102ページをご覧ください。
「寝てしまうには理由がある」、引かれる小見出しですね。
次に115ページの「効果的な研修スタイル」を見てみましょう。
冒頭でも説明した資料配布や適正規模についての記述があり、
私がつい買ってしまったのも無理はありません。

ですがはっきり言って購入することはお勧めしません。
この本のターゲットは一体だれなのでしょうか!?
おそらく人事担当者を主に想定して書いているのでしょうが、
新入社員への呼びかけがあったり、
研修を受ける側に対するメッセージがあったり、
読んでいて違和感を覚えます。

また序章に悪しき研修例が列記されているのですが、
読者を引き込む大事な序章が長すぎで
普通に最初から読み始めると読む気が失せます。
2章がいいのでもったいないですね。

それでは5点満点での評価です。

タイトル(1)
本書自体にムダな箇所が多いことが残念です。
研修の2文字が目を引く装丁に1点です。

ノウハウ(1)
ご紹介の通り、
寝る理由やグループの適正人数といったあたりは
運営する側としてとても気になる情報です。
ただ理由を列記するだけでなく深く掘り下げていったら
とても読み応えある良書になっている気がします。

レイアウト(1)
箇条書きを使ってまとめようとする意図は汲み取れるのですが、
読み物としての一貫性を感じられません。

総合(1)
テーマの着眼点はとてもおもしろいです。
必死で読むよりも箇条書きを見ておもしろそうなところを
みんなで議論してみると良いかもしれません。


| 人材マネジメント(採用・研修・転職・モチベーション) | 23:17 | comments(0) | trackbacks(0) |pookmark